ブラジル北部のパラー州から南部のリオ・グランデ・ド・スル州までをつなぐ、全長3467キロに及ぶ国道163号線(BR―163)は、未だに未舗装の箇所が多く点在する。
2月に降った大雨により、パラー州内にある国道163号線の未舗装部分では多くのぬかるみが発生している。ブラジル植物油工業会(Aboive)によると、ぬかるみのせいで、南部や中西部で生産された大豆を載せたトラックが北部に到達する事が困難になっており、損失は1日40万ドルに達していると1日付エスタード紙が報じた。
Aboiveは、マット・グロッソ州シノプ市からパラー州イタイツーバ市間の全長1000キロ区間に点在する、総距離178キロに及ぶ未舗装区域の状態が深刻であるとしている。
輸出企業は大豆輸出のルートを南部や南東部へと変更しており、ブライロ・マッジ農相は、北部の港からの大豆輸出高は期待を下回るだろうと語っている。
大雨とそれに伴うぬかるみによって、国道163号線のトラックの通行量は、1日800台から100台に減っており、イタイツーバ市にあるミリチトゥーバ港へ到着する荷も激減している。
同市の港からは大豆を積載した荷船が、アマゾン川流域の港に運ばれ、そこで大型貨物船に載せられて輸出されていた。
ミリチトゥーバ港には2月18日以降、大豆は到着していない。Abiove経済部長のダニエル・アマラル氏は、「大豆の船への荷積みは2月18日以降、止まったままだ。輸送料を値上げしても、運輸会社はパラー州方面への荷は引き受けようともしてくれない」と語っている。