サンパウロ州市警=4割もの市で常駐警部不在=高齢化などで人員が減少=「経済危機で欠員の補充は困難」と当局
サンパウロ州内全645市中、およそ4割にあたる256市は、正規の担当警部(市警)がいないと2日付現地紙が報じた。
サンパウロ州内陸部では1人の警部が四つの自治体を担当する事態も発生しており、捜査員や書記官の不足にも悩まされている。
サンパウロ市では93の警察署の内、24時間体制で機能しているのは27だけだ。2009年にはサンパウロ市内全ての警察署が24時間体制で機能していた。また、市警の人数も減ってきている。
これらの数値は、サンパウロ州警部組合が発表したものだ。同組合によると、現在の市警の数は2万6千人で、9千人不足しているという。同組合会長のラケル・ガリナッチ警部は、「サンパウロ州市警は最低限の人員も確保されておらず、事件捜査や市民への対応もままならない。1800人が定年退職を願い出ており、年内に辞める。また、退職願を出す予定の警官も3200人いるが、欠員補充の予定もない」と語る。
地元新聞に市警と警部クラスの人員不足を指摘されていたマギノ・アウヴェス同州保安局長は、2月28日に州警部組合との会合を持ち、2300人の人員補充の可能性を探ることと、今年半ばの給与調整を約束した。
ガリナッチ警部は現在、70に分割されたサンパウロ州内各地区の警察署を訪問して、サンパウロ州市警の抱える問題の全体像を把握しようと努めている。現地紙記者は同警部によるサンパウロ州西部の視察に同行取材した。
グアラサイー市では、管理補佐官が1人で市民に対応していた。「もし重大事件が起きたら、25キロ先のミランドーポリス市の署で当直中の警部に連絡する。書記官はほぼ24時間勤務した後で休息中。唯一の捜査官は定期の休職期間中だ」と同補佐官は語った。
ヴァル・パライゾ市の警察署に1人だけいた市警は「警部は30キロ離れたグアララペス市で当直中で、2人の捜査員も揃って定年退職を願い出ている」と語った。同市には刑務所があることから、薬物取引の犯罪が多発しているが、路上に出ている警官は1人だけで、裁判に出席する収監者を警備中だった。
ガリナッチ警部は「人員は高齢化している。警部の44%は50歳を超えていて、30歳以下の警部は3%しかいない。警部資格をとれるだけの学歴などを持つ人物が、月給1万50レアル(35万円相当)の警部職に応募してくる例は少ない」と嘆いた。
サンパウロ州保安局では、2011年以来、3688人の市警を採用しており、442人が警察学校で警部資格を得るための課程を履修中だ。さらには2億4100万レアルを投じて3641台の車両も購入しているとした。
同局は、「ブラジル全体が経済危機に瀕している現実を、報道側も無視するべきではない。州政府も財政責任法の制限の下にあり、無尽蔵の保安予算をとれるわけではない」との声明を発表したが、給与問題に関する言及は避けた。