選挙高等裁判所で行われているジウマ前大統領とテメル大統領のシャッパ(候補者連記名簿)の2014年大統領選での不正疑惑に関する公判で、オデブレヒト・グループの被告が、対抗馬だったアエシオ・ネーヴェス民主社会党(PSDB)党首の依頼で同党に900万レアルを裏献金したと証言した。3日付現地紙が報じている。
この発言が飛び出したのは、2日にリオの選挙高裁で行われたジウマ/テメルのシャッパの職権濫用疑惑についての公判中で、証言者はオデブレヒト・インフラエストゥルトゥーラ社元社長のベネジクト・ジュニオル(通称BJ)被告だ。
BJ被告は、オデブレヒト・グループ(OG)は14年の統一選で、アエシオ陣営に900万レアル払ったと証言した。
その内600万レアルは、アエシオ氏と同じミナス・ジェライス州上議のアントニオ・アナスタジア氏と同州下議のピメンタ・ダ・ヴェイガ氏(共にPSDB)、アエシオ氏が理事を務めていた中央電力公団(Furnas)の元理事のジマス・トレド氏の息子であるジマス・ファビアーノ・トレド・ジュニオル下議(進歩党・PP)に支払われ、残り300万レアルが、アエシオ氏の選挙参謀だったパウロ・ヴァスコンセロス氏に払われたという。
同公判はアエシオ氏の訴えによって行われたもので、一連の証言は、公判の場にいたジウマ氏の弁護士からの質問への答として語られた。
そのため、担当判事が「PSDBの話を今公判に持ち込むのは筋違いでは」との疑問を投げかける場面も生じたが、同被告は「自分はミナス州内の献金しか扱っていないから、国レベルの選挙戦での献金のことはよく知らない」と答えた。
BJ被告は、「支払はどのような形で行われたのか」との質問には「正式に登録されていない隠し口座(カイシャ2)だろう」、「隠し口座の場合の支払い方法は」との問いには「現金払い」と答えた。同被告によれば、OGからの寄付は通常、会社そのものか第3者による政治献金(カイシャ1)の形をとるという。
この前日、クリチーバの選挙高裁で行われた公判でマルセロ・オデブレヒト被告は、「14年大統領選の投票日直前に、アエシオ氏が1500万レアルの資金援助を要請したが、選挙戦中やその前に献金していたため、断った」と証言。だが、アエシオ氏が同党党員らへの支援を重ねて求めたため、ミナス州内のOG関係者とPSDBの政治家の間で話を詰めるよう手配したと語った。
アエシオ氏は「PSDB党首として、同州やブラジルの党員のための献金依頼は当然のことだ。OGからの献金はすべて、合法的に行われたものだった」と反論している。