ブラジル工業貿易サービス省は2日、2月の貿易収支は、輸出154億7200万ドル、輸入109億1200万ドルで、2月としては、1989年の統計開始以来、最大となる45億6千万ドルの黒字を記録したと発表したと2、3日付現地紙・サイトが報じた。
昨年2月と比べ、輸出高は22・4%、輸入高は11・8%上昇した。
今年1月の貿易収支は27億2千万ドルの黒字だったため、1、2月の累計黒字額も、1989年に統計を取り始めて以来最大の72億8500万ドルとなった。昨年同期の貿易黒字は39億5800万ドルだった。
アブラン・ネット貿易局長によれば、輸入高は2014年9月以降、連続して前年同月比割れを記録していたが、昨年12月からは上昇に転じている。輸入高はその後、3カ月連続で前年同月比を上回っているが、これは2013年半ば以来、3年半ぶりだという。
同局長は、輸入の増大は、ブラジル国内経済の回復の兆しと理解している。
現在、ブラジル・レアルは米ドルに対して高値をつけている。単なるレアル高で増えるのは、消費財輸入の増加だが、現状は、燃料や肥料、電子部品など、更なる生産拡大のために必要なものの輸入が増えている。つまり、「為替相場の効果で安くなったから」という理由でなく、「需要が見込まれ、生産活動のために必要だから」との理由で輸入が増えていることを同局長は強調した。
今年1、2月の輸入で最も増えたのは中間財と燃料で、それぞれ前年比19・5%と11・5%の増大だった。逆に資本財と消費財の輸入高はそれぞれ28・5%と1・5%減少した。
アブラン局長は石油化学製品の原料として用いられる粗製ガソリン(ナフサ)をはじめ、肥料、機械設備、電子部品の輸入が増えていることを強調した。
輸出に目を向けると、1、2月の輸出量そのものは、前年比0・9%の減少だったが、コモディティ価格の上昇がそれをカバーし、輸出高の増大につながった。
相手国別の輸出高はほとんどの国で増えているが、中国の78%増はダントツだ。アルゼンチン向けも18・4%増で、7カ月連続で輸出が増えている。