「ネイマールに続くストライカーがほしい」は、14年のW杯の前からブラジル・サッカー界でいわれ続けていることだが、ポルトガル・リーグから突如新星が現れつつある。
最近でこそ、19歳のガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)をはじめ、フィルミーノ(リバプール)やルーカス(PSG)といった、得点王でこそないものの、得点の見込めるストライカーが目立ちはじめているブラジルだが、そこにポルトガルから新星が加わりつつある。それがチキーニョ・ソアレスだ。
このチキーニョは、昨年のシーズンまでは全く知られていなかった選手だ。出身は、州に強豪チームのない北東部のパライバ州で注目を浴びないままサッカーをしていた。一部報道では、アイスキャンディーの売り子をしながら生計を立てていたという。
サッカー選手としては様々なチームを渡り歩いてきたが、2014年にポルトガルの島にある1部リーグのクラブ、ナシオナル・デ・マデイラに入った後、16年9月からのシーズンで才能が開花した。
開幕から得点を重ねたチキーニョは11月に格上チームのヴィットーリア・ギマリャンエスに目をつけられて移籍。すると、そこでも得点を量産して、1月中旬時点で7得点。得点王ランキングの上位につけた。
すると、それに目をつけたのがポルトだった。ポルトガル国内ではベンフィカと首位を分け合う名門は、今年の1月24日にチキーニョと契約した。
ポルトは欧州チャンピオンズ・リーグでもベスト16常連の名門だが、チキーニョは移籍後すぐに左のフォワードのポジションを獲得。移籍後初の試合となった2月4日の強豪スポルティングとの試合でいきなり2得点を決めると、その後は出場する試合で毎回得点を重ねており、3月4日の対ナシオナル戦でも再び2得点を挙げた。現時点では、14得点で得点王ランキングの3位につけている。
さらに、得点こそは決めなかったが、2月22日にはチャンピオンズ・リーグの決勝トーナメント、イタリアの強豪ユベントスとの試合にもフル出場している。
チキーニョの活躍はファンも注目するところとなり、189センチ、87キロの大きな体も考慮した人々が、同チームのかつてのエースだったブラジル人選手、フッキと比較してつけた「ノヴォ・フッキ」という愛称で、人気選手となっている。
最近になって注目され始めた選手だけに、まだセレソン(代表チーム)への召集などの動きはないが、現在のような彗星のごとき活躍が続けば、さらなる飛躍も夢ではない。(4日付グローボエスポルテなどより)