上院の新しい政府リーダーにロメロ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)が選ばれ、上院でラヴァ・ジャット作戦(LJ)を牽制する動きが強まることへの懸念が広がっていると5、6日付現地紙が報じている。
上院の政府リーダーはアロイージオ・ヌーネス上議(民主社会党・PSDB)が務めていたが、同氏が新外相に選ばれたため、PMDB党首も務めるジュカー氏が指名された。だが、同氏の上院政府リーダー就任は、連邦検察庁には懸念材料と見る向きが強い。
ジュカー氏はLJで疑惑の政治家として名前があがっているだけではなく、同作戦妨害を企てようとした疑惑が生じて企画相を辞任した人物で、検察庁の調査対象となっている。
また、6日付エスタード紙によると、ジュカー氏は上院で「検察庁が捜査で得た情報の開示」法案を出そうとしており、同氏が所属するPMDBをはじめ、労働者党(PT)や進歩党(PP)の上院リーダーが、全面的な情報公開を求めているという。
ジュカー氏らは、捜査の真意が隠されたまま、情報の一部が意図的に漏らされたりすると、捜査対象とされている人物が社会的な制裁を受けたりする上、弁護の方法もないとして、同法案を正当化している。
だが、検察側は同法案が通過すれば、検察が得た情報が捜査開始請求前に漏れ、容疑をかけられた政治家らが証拠隠滅に走ったりする危険性が強まると恐れている。
この法案は、LJの、とりわけペトロブラス関係の贈収賄工作(ペトロロン)で疑われている政治家が最も多い同3党が全面的に支持している。この3党所属の上議は、上院81人の半数近い38人を占める。
PMDBリーダーで前上院議長のレナン・カリェイロス氏やPTリーダーで元官房長官のグレイシ・ホフマン氏は、共にLJで強い疑惑を持たれている渦中の人物だ。
PSDBやブラジル社会党(PSB)は、部分的な公開には賛成だが、政局の混乱を招きかねない情報などの秘密保持は必要と見ている。
上院は今後、この「捜査上の秘密公開」や、かねてから問題視され、社会問題化もしていた「汚職防止法裁可前までの選挙での二重帳簿の恩赦」「(検察や司法などに対する)職権濫用禁止」などの法案も審議することになっており、検察側が懸念している。
他方、ロドリゴ・ジャノー検察庁長官は、昨年12月に行われたオデブレヒト社関係者77人による報奨付供述に基づく政治家や企業家らの捜査開始許可を、近日中に最高裁に求める意向だ。
ジャノー長官が作成中のリストには、最低2人の現政権の官僚を含む、相当数の政治家が入る見込みで、ジュカー氏もその中に含まれるのが確実と見られている。なお、オデブレヒト社幹部らの報奨付供述は、その大半が22日以前に公開される見込みだ。