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サントス=旧街道下りで歴史と自然堪能=リベルダーデ歩こう友の会

中央右がガイドのジョズワルドさん

中央右がガイドのジョズワルドさん

 リベルダーデ歩こう友の会(高木ラウル会長)の一行約40人は、カーニバル真っ最中の2月26日、サントス旧街道「カミーニョ・ド・マール」の下り9キロを歩いた。州立森林基金の職員が案内をし、一行は3時間余り、ピンクと白のマナカの花が咲き乱れる海岸山脈の自然と歴史をたっぷりと親しんだ。
 サントス―ジュンジャイー鉄道が敷かれる以前は、この旧街道が港とサンパウロ市をつなぐ命綱だった。この旧街道のあちこちには、独立百周年を記念して1922年に建設された休憩所が数カ所残っており、一行は立ち止まって絶景を楽しんだ。
 この旧街道のさらに原形ともいえるのが、同じ地区を横切るように通っていた「カウサーダ・デ・ロレーナ」だ。現在は通れない。しかしイエズス会士の時代からの海岸山脈の上と下をつなぐ唯一の通路であり、ドンペドロ一世がブラジル独立を宣言する前日もここを通って海岸山脈を登った由緒ある道だ。
 ガイドのジョズワルド・マルケスさん(45)は「この道は急なので馬には無理。ドンペドロが馬の背で独立を宣言したように絵に描かれていたがが、騾馬で登ったはず。登る途中で腹痛を起こして、その辺の草むらで用を足したという記録もある」と興味深い説明をした。
 参加者の一人、藤江アナさん(73、二世)は「旧街道下りは3、4回目。今回は霧が出ていて遠くが見られず、少し残念。でもガイドが今までより詳しい人で、歴史も自然も良く分かって良かった」と楽しんだ様子。旧街道は海岸山脈の上から始まり、9キロをグネグネと歩いて、山の下のペトロブラス石油タンクが終点。
 池田由紀子さん(62、二世)も「9回ぐらい参加した。眺望が素晴らしいから何回来てもあきない」と満喫した様子だった。一行がバスに乗り込んだとたんに、土砂降りの雨になった。サントス市に出てポンタ・ダ・プライアの金星クラブで昼食をとり、ゆっくりと帰聖した。