【共同】政府は2017年度から、海外にある日本庭園の修復を支援するため、造園技術者を派遣する。施設側に庭園管理のノウハウがなく、手入れが行き届かない例も目立つという。園内の美観を取り戻して日本文化に関心を持ってもらい、日本を訪れるきっかけになることを期待している。
まず欧米の2~3カ所の庭園を選んで技術者を派遣する。現地の人が樹木の剪定や庭石の修繕などに習熟するよう技術研修も行う。
国土交通省によると、海外の100カ国以上に日本庭園があり、総数は500を超える。多くは公園や博物館の一角にあるという。
石灯籠が崩れたり、枝が伸びたりしたまま放置されている庭園もあり、在外公館などを通じて支援の要請が寄せられている。
海外20カ国・地域の約3千人を対象とした昨年の民間調査では、日本の地方を旅行した際に体験したいものとして、日本庭園は、温泉、自然、桜に次ぐ4位だった。
国交省の担当者は「海外の日本庭園は、日本文化の発信の場でもある。適切な管理を支援することで、多くの外国人に関心を持ってほしい」と話している。