南半球のため、ブラジルは現在が夏。常夏のイメージを抱いている方も少なくないだろうが、実際問題、この季節はよく雨が降る。午前中は30度を越える蒸し暑さだったのに、午後になると途端に大雨、などということも珍しくないが、そんな季節に、ブラジリアの連邦議事堂前に集まり、傘を持ってメッセージを発した団体がいる。
それが全国市検察官連盟(ANPM)だ。同連盟の構成員は7日昼、晴天の間に連邦議会前の草原に集合し、歴史的建築家オスカー・ニーマイヤーが設計した由緒ある議会を背景に赤と白の傘をさして掲げることで、就任したばかりの市長や市議を巡る汚職を防ぐ傘となることをアピールすると共に、各市の検察官を身近な存在として認めてくれるよう主張した。
同連盟は、2月1日にも同様の活動を行っているが、「全国市民擁護の日」である3月7日とその前日の6日は連邦議会も訪問し、「各市の検察官たちは、市内で起きる不正を暴き、法が認める合法的なあり方を示すと共に、公的機関と協力して社会の弁護士として活動することで、汚職を未然に防ぎ、各市が住みやすくなるように活動している」とアピールした。
ブラジルでは現在、1914年3月17日に連邦警察がはじめ、国の歴史上、最大規模の汚職摘発作戦「ラヴァ・ジャット作戦」で国が揺れ始めてから、丸3年が過ぎようとしている。連警が摘発している汚職には公社やゼネコン、政治家が大きく絡んでおり、これからは政治家に対する捜査も本格化する。上院や下院の議員にはラヴァ・ジャットで疑惑の対象となっている政治家も多数おり、国民は今後の連邦警察や連邦検察庁の活躍にさらなる期待を抱いている。
市検察官は連邦議会の議員たちを捜査したり、摘発したりしないが、今回の活動は多くの連邦議員にとって、一つの大きな挑発行為となったことだろう。(ANPM公式サイトならびに7日付フォトス・プブリカスより)