7日、大統領府で新法相と新外相の就任式が行われ、オスマール・セラーリオ氏(民主運動党・PMDB)とアロイージオ・ヌーネス氏(民主社会党・PSDB)がそれぞれ正式に就任した。7日付G1サイトなどが報じている。
法相、外相共に、閣僚としては最重要のポストのひとつだが、それぞれの就任背景は以下のようになる。
法相交代は前任者のアレッシャンドレ・デ・モラエス氏が最高裁判事に就任するのに伴う人事だ。同氏は判事就任指名を受けるまでPSDB所属だったため、同党の誰かが引き継ぐのではないかとの憶測もあったが、テメル大統領のPMDB内に連邦政府内でのPSDBの権力が強まることを恐れる声もあり、同ポストをほしがった。
同氏を指名する前に大統領が指名したのは、最高裁長官経験者で政党無所属のカルロス・ヴェローゾ氏だったが、ヴェローゾ氏が断ったため、PMDBの後押しもあり、セラーリオ氏に決まった。
セラーリオ氏は68歳で、下議当選5回を誇るベテラン議員だった。昨年まで同院憲政委員会の委員長を務め、2005年には、メンサロン事件の前身的スキャンダルの郵便局に関する不正の議会調査委員会(CPI)の委員長を務めたこともある。
セラーリオ氏は2月23日に就任を内諾した際に、「ラヴァ・ジャット作戦(LJ)は干渉されるべきものではない」として支援を強調。その後も、同作戦に関する検察庁や連邦警察の予算削減や連携トップの交代はないと約束している。
一方、体調不良で辞任したジョゼ・セーラ氏の後任に選ばれたアロイージオ氏は、セーラ氏と同じPSDBのサンパウロ州選出上院議員で、14年大統領選には同党党首のアエシオ・ネーヴェス氏の副候補として出馬。テメル政権で上院政府リーダーに就く前は、上院外交委員会の委員長も務めていた。
アロイージオ氏を上院政府リーダーの役職をはずしてまで外相に任じた背景には、アロイージオ氏がセーラ氏にきわめて近い人物であることやPSDBへの配慮などがある。外相交代後も、セーラ氏が進めていた南米共同市場(メルコスル)での役割や、EUとの自由貿易交渉の前進といった外交姿勢は、そのまま継承される見込みだ。