3月8日は「国際女性デー」で、この日にあわせるように、女性に対する暴力に関するデータがあがっている。また、7日には政治に関する司法問題でも、女性に対する暴力問題で象徴的な出来事があった。8日付伯字紙が報じている。
女性への暴力に関する悩みや通報を受け付ける電話センター「リーゲ180」が3日に発表した今年の苦情の内訳によると、受付数は昨年同期比1・6%減の2132件だったが、性犯罪が109件と、昨年より90%も増えたという。肉体的暴力は約半数の1136件、精神的暴力は671件、モラル・ハラスメントは95件だった。
また、7日に発表されたダッタフォーリャの調査結果によると、ブラジル人女性の3分の1(29%)が、ここ12カ月の間に何らかの暴力被害を受けたという。
同調査によると、2016年に起きた女性への肉体的な暴力は1時間につき503件に上る。
被害者の内訳を見てみると、16~24歳が45%で最も多く、以下、25~34歳31%、35~44歳25%、45~59歳23%と続く。
人種構成別では、黒人(プレッタ)が32%、混血(パルダ)が31%で、黒人に分類される女性が、白人(25%)より被害にあいやすいことがわかった。
また、暴力の加害者は61%が恋人や夫、家族などの知人で、2006年に、家庭内暴力など、女性への暴力を取りしまるマリア・ダ・ペーニャ法が制定されたにも関わらず、身近な男性からの暴力行為に苦しむ女性が依然として多いことが明らかになった。52%は暴力被害を他人に相談できずにいるという。
こうしたデータが発表される一方で7日、最高裁の第1班は、ジャイール・ボルソナロ下院議員(キリスト教社会党・PSC)がマリア・ド・ロザリオ下議(労働者党・PT)に対し、2003年と14年の2度にわたり、公の場で「あなたは醜いから強姦したいとも思わない」と発言した件に関するボルソナロ氏の控訴を退け、同下議を継続して被告扱いとすることを、5人の判事の満場一致で決めた。
2度目の発言は、ロザリオ氏が下院内の人権委員会の席で軍政に対して批判的な発言をしている際、軍政礼賛者のボルソナロ氏が反論として行ったものだった。
ボルソナロ氏は18年の大統領選候補の一人と目されているが、この裁判で有罪になるとフィッシャ・リンパ法適用で出馬が難しくなる。