ブラジルは、医療を受ける際、民間の保険プランに加入していなければ、政府の管轄下にあり、無料で治療を受けられる統一医療保健システム(SUS)に頼るケースが多いが、そこで医療を受けようとするとあまりに待ち時間が長く、医療水準も低い。
それを防ぐために民間の医療保険に入ろうとしても、月毎の会費が高い。昨今の不況で失業したり収入が減ったりした人も多く、民間医療保険の加入者は減少傾向だ。
保健省内政策チームでは、通常の医療保険よりサービスの水準を下げる代わり、安価に加入できる〃大衆プラン〃の検討が進められており、その提案書が7日、国家医療サービス監督庁に提出されたと7、8日付現地紙・サイトが報じた。
提案書には三つのプランが記されているが、全プランに共通して、「被保険者は医療費の半分を負担する」「料金調整の際は(民間保健では既に行われなくなった)実際の経費の一覧表を基に計算する」「より高度でより高額な医療を適用する際は、別の医師の意見も仰がねばならない」と書かれている。
一つ目の「簡素化プラン」は、入院、複雑な検査、緊急、12時間以内の日帰り入院などを適用対象外とするものだ。提案書には「これで85%の医療サービスが利用できる」と書かれている。
二つ目の「高頻度外来診療プラン」では、全ての医療サービスが受けられるが、被保険者は同プランでサービスを受ける前に、初期医療ケアを担当する「メジコ・デ・ファミリア」などで、本格的な医療が必要かどうかの診断を仰いだ上で、別の医師の確認も得なくてはならない。
三つ目の「支払い形態混合プラン」では、被保険者は月会費を支払い、保険会社は、被保険者が医療サービスを受けるごとにその費用を後から支払う。