国際女性デーの8日、ブラジリアと16州で、男性至上主義反対、男女平等、中絶合法化、年金制度改革反対などを唱える、女性を中心とするデモ行進が行われたと9日付現地紙が報じた。
ブラジル国内のデモは、世界50カ国で行われた国際女性デーのデモに同調する形で呼びかけられた。このため、どの地域でもデモ参加者の多くは女性で、女性の方が週平均の労働時間が長いのに収入は男性の7~8割である事、女性の方が平均学歴が高いのに企業内の役職者や議員などは圧倒的に男性の方が多い事など、性による格差が依然として大きい事の是正や、中絶合法化などが唱えられた。
また、ブラジルでは現在、年金受給年齢を男女共65歳にするなどの年金制度改革や労働法の見直しなどが行われている事を反映し、多くの場所でこれらのテーマもデモのスローガンに含まれた。
デモを呼びかけた団体は労働組合や学生団体、政党などで、年金制度改革反対などを唱える男性参加者もいたという。
サンパウロ市でのデモには、3月15日からストに入るサンパウロ州とサンパウロ市の教職員組合員も参加。警察の公式発表はなかったが、サンパウロ州教職員組合は同組合だけで2万人が参加したとしており、パウリスタ大通りとセー広場の2カ所のデモ参加者は約3万人と見られている。リオ市でも主催者や警察が8千~1万5千人規模のデモだったと推定している。
一方、メイレーレス財相は同日、連邦議員らを前に、女性が年金受給年齢の引き上げに反対し、60歳のままで据え置くなら、男性は71歳まで働かなければならないと明言。平均寿命や年金受給年数は延びている中、自分達に都合の良い事ばかり考えて受給年齢開始年齢を据え置けば、年金制度は成り立たなくなると強調した。