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中古の運動用具をブラジル人児童へ=福田さん、一念発起で寄付活動

柔道場で寄贈品を受け取った子らと記念撮影する福田さん(提供写真)

柔道場で寄贈品を受け取った子らと記念撮影する福田さん(提供写真)

 「貧しい子どもにスポーツを思いきり楽しんでもらいたい」。そんな熱意を胸に、『日伯スポーツ振興プロジェクト』を立ち上げた福田雄基さん(25、千葉)が1日に来伯し、日本で集めた中古の運動用具を直接ブラジル人児童らに手渡した。
 昨年のリオ五輪で初来伯したことが、この活動のきっかけとなった。「ファベーラの子どもは靴も履くことができない。野球少年はボロボロのグローブでプレーする…。生活そのものや、スポーツ環境の劣悪さが衝撃だった」と話す。
 「自分にできる事はないのか」と考え、不要になった運動用具を集めることから始めた。仕事や大学で知り合った多くの運動関係者に寄付を募った。「ブラジルには道具を必要としている子たちが山ほどいる」と協力を呼びかけ、およそ半年の間に運動着30着、グローブ10個、野球ボール10個、運動シューズ30足などが集ったという。
 インターネットで募金も呼びかけたが、思うような金額は集らず、渡航費は自己負担した。スーツケース2個分一杯に寄贈品を詰め当地へ。物品は野球連盟、リオのマンゲイラ小学校、リオ五輪柔道金メダリストのラファエラ・シルバ選手が在籍する道場など、8日の離伯までに無事関係者に手渡すことができた。
 帰国日に来社した福田さんは、「資金が集れば通訳を雇うつもりだったが不可能だった。言葉の問題を始め、多くの日系人に助けてもらった」と温かく受け入れたコロニアに謝意を述べ、「今回の渡航で需要や状況がより理解できた。この経験を今後の活動に生かしたい」と、早くも次回へ意欲を見せた。


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 一個人で寄贈品を集め、当地まで直接届けた福田雄基さん。思いがあっても実際に行動するのは難しい。縁あって彼の滞伯中に同行した埼玉県人会の尾崎眞次会長も、「熱意ある若者は殆んどいないと思っていたが、日本も捨てたものじゃない」と、ブラジルのために尽力した青年を賞賛。「若い世代の見本となってほしい」と話すように今後の活動にも期待。