ブラジルを代表するシンガーソングライターの大御所、カエターノ・ヴェローゾが9日、自身のインスタグラムで「大麻、そして全ての薬物の解禁を求める」と発言し、物議を醸している。
カエターノは現在74歳。昨年8月のリオ五輪では国を代表して開会式のパフォーマンスを行った国民的にも影響力のある存在だが、それだけに9日の発言は大きな波紋を呼んだ。
問題のインスタグラムは、カエターノの元妻で現在もマネージャーのパウラ・ラヴィーネが彼にインタビューの形で行った動画だ。
カエターノは「大麻の味自体は60年代に試してみたけど、耐えられないくらいに大嫌いだ」と答えつつも、「でも、大麻の解禁自体には賛成だし、全ての薬物が解禁されるべきだ。ブラジルは大麻の売買を犯罪扱いするべきではない」と発言した。
このインタビューは、カエターノが公演先で訪れているウルグアイの首都モンテビデオで行われた。ウルグアイは大麻の栽培や販売を合法的に解禁した国として知られている。
もっとも、この前日の8日にパウラが自身のインスタグラムで「大麻は解禁すべき」との主張を行っており、カエターノはそれに続いた形だ。
カエターノとパウラの関係は長きにわたり、結婚していた時代のパウラは「悪妻」と称され、カエターノが尻に引かれているとして、ブラジル国内では有名だった。
2013年にはパウラが「アーティストの伝記を発行する際には、アーティスト自身が前もってチェックするべきだ」と主張したところ、カエターノはそれに続くように、音楽界の大御所たちに運動に加わるように求めた。
だがパウラが、この件で人気女性トーク番組「サイア・ジュスタ」に出演した際、女性ジャーナリストたちから「検閲行為」「(かねてから金稼ぎに抜け目ないとの評判はあったが)また守銭奴みたいなことを」と批判され、あやうくもみ合いになりかかるなどの騒動になったり、裁判でも不利な結果を出されたりして、運動そのものが沈静化した。
また、カエターノ自身も「舌禍」の多い人物として知られていて、ここ数年も、「ビートルズを聴くなんて、ジャスティン・ビーバー(のようなアイドル)を聴くのと変わらなかった」「ジウマ大統領を罷免させようとするのは右翼の罠だ。軍事政権のときがまさにそうだったんだ」といった発言をしてはマスコミ上をにぎわせてきていた。(9日付Veja誌サイトより)
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