国際人権団体アムネスティー・インターナショナルは、サウジアラビアがブラジルで生産されたクラスター爆弾を使ってイエメンを攻撃していると非難したと9日付ブラジルニュースサイトが報じた。
クラスター爆弾は大量の小型爆弾が入っていて、空中で拡がり、大きな被害をもたらす。不発弾が地雷となる危険性も指摘されている。
アムネスティーによれば、同爆弾の使用、生産、販売、流通は、2008年のクラスター爆弾禁止条約で禁止されているという。同条約には100カ国以上が署名しているが、ブラジルは署名しておらず、米国、中国、インド、ロシア、イスラエル、パキスタンなどと並ぶ、同爆弾の主要生産国の一つだ。
アムネスティー調査室のリン・マーロウフ室長は、「サウジアラビアは『国際法に則った行動だ』だと行為を正当化している」と避難した。
「全てのクラスター爆弾は(正規戦闘員、軍事施設だけでなく)一般市民を巻き込み、想像もつかないほどの被害をもたらす。ブラジルは一刻も早くクラスター爆弾禁止条約に署名し、サウジアラビアは使用をやめるべき」とも語っている。
アムネスティーが現場の痕跡を分析した結果、ブラジル製の爆弾を使った攻撃は3回繰り返されており、ブラジル企業アヴィブラス社製の爆弾が使われていたと発表した。
同社は書面で「自社の防衛用製品は全て人道的側面に配慮されており、自社製品の輸出は全てブラジルの管轄機関によって許可が出されている」と強調した。イエメンで使われた爆弾については「現場には立ち入っておらず、当社のものだったかの識別は不可能」「現在生産中のものは形が異なる」とも述べている。