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リオ州パラチー=文学祭も行われる風光明媚な田舎街も今は昔=ギャングの抗争で殺人事件急増

趣のある石畳の街並みが楽しめるパラチーも、治安悪化に苦しんでいる(Lula Marques)

趣のある石畳の街並みが楽しめるパラチーも、治安悪化に苦しんでいる(Lula Marques)

 リオデジャネイロ州沿岸部の最西端に位置するパラチー市。風光明媚な観光地として知られ、ブラジル随一の文学祭、パラチー国際文学祭(Flip)の開催地としても有名だが、そのパラチー市の治安が急速に悪化していると13日付フォーリャ紙が報じた。
 2月27日、カーニバルの宴が街を包む中、同市のスラム街では、見せしめにされるが如く、住民衆目の下、一人の男が首をはねられて死亡する事件が起こった。
 同市は殺人事件発生率が上がり、麻薬組織の抗争も激化、窃盗事件も急増、市民警察のスト開始からにほぼ2カ月が経過している。
 検察は、公開斬首という残忍な方法で殺された男は、スラム街の住人で、麻薬組織のボスの恋人にキスをした事でボスの怒りを買い、その報復として殺されたとしている。なお、そのボスは現在逮捕されている。
 男の頭部は燃やされ、遺体は川に捨てられた。男とキスをしたとされるボスの元恋人は、路上で殴られ、髪を剃られた。
 3年前から市の検事を務めるヴィニシウス・リベイロ氏によれば、これほど残虐な事件は、人口4万人の小さな街では初めてのことだという。
 同市の殺人事件発生率は、10万人あたり60・9人で、全国平均の29・1人の倍以上だ。警察と検察は、同市での殺人事件増加と治安悪化は、隣接する二つのスラム街を支配している麻薬組織同士の抗争が原因だと見ている。
 ヴィニシウス検事は、「パラチー市で発生する殺人事件の9割は、麻薬組織の抗争が原因だといえるだろう。パラチー市もリオ州の他の自治体と同じだ」と語る。