国際女性デーの8日、ブラジル国内では男女同権、女性への嫌がらせや暴力行為撲滅などを訴える抗議行動が繰り広げられたが、その一方で、全国23カ所の女性警察には少なくとも422件の被害届が出された。
届出があった犯罪は、傷害や脅迫、暴行、強姦その他で、家庭内暴力などで被害者に接近する事を禁じられた男性が裁判所の命令に背いた例も報告された。
422件の中には、アマゾナス州、エスピリトサント州、セアラ州、リオデジャネイロ州の数字は入っていない。
被害届が最多だったのはサンパウロ市の52件で、以下、連邦直轄区47件、サルバドール45件、クイアバー34件と続く。サンパウロ市では新設の女性警察三つが統計に入っておらず、実際の数はもっと多い可能性が高い。同市中央の女性警察には同日だけで、26件の被害届が出されている。その内の1件では、妻を殴った弁護士が現行犯逮捕され、脅迫と傷害、家庭内暴力で起訴された。
これらの数字には前日までに起きた事件も若干含まれているが、一般の警察署に出された被害届は集計されていない。
女性警察の署長達は口を揃え、被害者が報復を恐れたり恥ずかしかったりして届け出ない犯罪も多いという。加害者は夫や恋人、元夫などが大半で、女性や家族を執拗に脅迫する例も少なくないという。
先日発表されたダッタフォーリャの統計によると、ブラジルでは毎時500人以上の女性が肉体的な暴力の被害に遭ったが、被害者の52%は警察には届けていない。
ゴイアニア市の女性警察署長は、「数だけ見ると沢山の届出があったように見えるけど、実際には半数以上が届け出ていないのだから、本当の被害者はもっと多いはず。被害に遭った女性はきちんと届けを出すべきよ」と語った。同市では国際女性デーに12件の被害届が出された。
ペルナンブコ州の女性警察署長は「被害に遭った女性が恐怖心などを乗り越えて届けを出し始めたけど、本来の姿にはまだまだ遠い。暴力事件は全般的に増加傾向にあるけど、女性に対する暴力は、自分の権利を犯されていると感じて司法当局に訴えてくるものや、繰り返し暴行を受けてきた人が勇気を奮い起こして届けた例も多いから、一般的な暴力事件とは区別するべきよ。女性への暴行撲滅には時間がかかるし、周囲の協力が必要」という。同州では今年だけで58人の女性が殺されている。
3月8日に女性警察に出された被害届は、アラカジュ10件、ベレン14件、ベロ・オリゾンテ23件、ボア・ヴィスタ6件、カンポ・グランデ19件、クイアバー34件、クリチバ30件、連邦直轄区47件、フロリアノポリス21件、ゴイアニア12件、ジョアン・ペッソア5件、マカパー17件、マセイオ1件、ナタル11件、パウマス5件、ポルト・アレグレ19件、ポルト・ヴェーリョ16件、レシフェ13件、リオ・ブランコ6件、サルバドール45件、サンルイス9件、サンパウロ52件、テレジーニャ7件となっている。(9日付G1サイトなどより)
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