ブラジル政府の進める、ブラジル国内4空港の民営化に向けた入札が16日に行われると、12、13日の現地紙・サイトが報じている。
これはテメル政権発足後、初めての空港経営権入札で、前のルーラ・ジウマ政権期とは状況が異なる。というのは、多くの建設会社がブラジル史上最大の汚職捜査「ラヴァ・ジャット作戦」の捜査対象となり、入札に参加できないからだ。
また、従来の空港民営化では49%の資本参加が義務付けられていた空港インフラ業務公社(インフラエロ)は、今回は参加しない。
今回民営化される空港は、北東部セアラー州フォルタレーザ市、バイーア州サルバドール市、南部サンタカタリーナ州フロリアノポリス市、リオ・グランデ・ド・スール州ポルト・アレグレ市の4空港だ。
政府はこの入札で総額30億レアルの収益と、その後、各企業が4空港へ、総計66億1300万レアルの投資を行うことを期待している。
落札した企業には、サルバドール市の空港では滑走路拡張、フロリアノポリス市ではターミナルや駐車場の新設など、各空港の必要に応じた設備投資も求められる。
その他にも、表示板の改善や照明の修復、無料のインターネット環境の整備、空調、トイレ、ベビールーム、エスカレーターや動く歩道の改良までもが、経営権を落札した企業には、自己負担として求められる。
同一の企業グループが二つの空港の営業権を獲得する事は可能だが、その場合は、両方の空港が同じ地域に属していてはならない。入札には国外企業も参加でき、落札企業は手数料の他に、提示額の4分の1を即金で支払わなくてはならない。
先週、2016年のブラジルのGDPが前年比で3・6%ダウンしたことが発表された。財政目標達成のため、さらなる緊縮財政はもちろん、増税の可能性も捨てきれない政府は、今回の空港民営化の入札による収入が、財政の助けになることを期待している。
入札企業は、入札しようとする空港と同程度かそれ以上の空港の経営実績が最低5年はある事を証明する必要がある。例えば、サルバドールとポルト・アレグレの空港入札に参加する企業には年間利用者900万人規模の空港の経営実績が、フォルタレーザでは700万人、フロリアノポリスでは400万人規模の実績が求められる。
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