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『プラナルト』句文集=ブラジリア俳句会40周年

表紙

表紙

 ブラジリア俳句会40周年記念合同句文集『プラナルト』が1月に発行された。富樫羽州さんはあとがきの中で、《俳誌『木陰』に関係のある人たちに呼びかけて、日本大使館に近い、パラノア湖畔に所在する日系クラブの仮事務所で最初の俳句会を催したのが、一九七五年九月十七日のことだった》と書く。
 当初は新都の建設予定地プラナルト中央高原からとって「プラナルト吟社」と称していた縁から、今回の句文集の名前となった。
 《句の窓辺蝉の合唱高らかに》(青砥久子)からは、句会を開く部屋の窓からセミ時雨が降る夏の状景が伺える。
 《百年の計とてセラードに苗木植う》(長谷部蜻蛉子)、《春耕の終わりし畑に雨を待つ》(前添晶子)、《あなどれぬ女性の力移住祭》(名和貴美子)、《展墓の日今年も来たよお父さん》(園田昭代)、《墓参る異国に父母を祖と祀り》(田口やよい)など。
 昨年の首都の「秋の状景」を詠った《秋深む人気の落ちる大統領》(山岡秋雄)のように独特の味わいを持つ秀句がたくさん掲載されている。