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《ブラジル》ラヴァ・ジャット作戦=オデブレヒト社2代目社長が「献金は絶対的ビジネスモデル」と証言=初代社長時代から隠し口座へ選挙資金=パロッシは仕切っていた一人

 ブラジル最大手ゼネコン「オデブレヒト社」の元社長マルセロ・オデブレヒト被告の父エミリオ氏が13日、パラナ州連邦地裁によるラヴァ・ジャット作戦の裁判で、被告側証人として「カイシャ2(隠し口座)は、この国では古くから使われてきた」と発言、同社創業時から収賄が常にあったことを明らかにし、波紋を広げている。14日付現地紙が報じている。

 13日、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事はテレビ会議方式による証人尋問を行った。
 サンパウロ市法廷に出廷したエミリオ氏は、マルセロ被告の証人として証言台に立ち、「わが社から非公式な選挙資金を渡すカイシャ2は、息子の代からではなく、私の代にも、私の父の代にも常に存在していた」と発言した。
 オデブレヒト社はエミリオ氏の父ノルベルト氏が1944年に興した企業だ。エミリオ氏はその2代目として2001年まで社長を務め、現在は社主で経営審議会の議長も務める。息子のマルセロ被告は03年に始まったルーラ政権から急激に事業を拡大してきた。
 エミリオ氏はマルセロ被告の弁護士の質問に答える形で、「自分が社長の時代には贈賄担当が社内に2人いた」「政治献金はあらゆる政党に払っていた。国内からでも国外からでも。裏金の形ででも、正規献金を装った形ででも。いわば〃絶対的なビジネスモデル(modelo reinante)〃だ」と続けた。だが、その贈賄担当者や支払相手に関して具体的に語らなかった。
 また、エミリオ氏が社長だった時代には賄賂配分専門部署は存在しなかったとしている。
 今回の裁判は、労働者党(PT)政権の元財相で、官房長官も務めたアントニオ・パロッシ被告が、ペトロブラスとプレ・サル油田用掘削船の契約時の贈収賄に関与したとの疑惑に関するものだ。
 同被告は、同専門部署にあった贈賄リストの中の「イタリアーノ」ではないかと疑われている。エミリオ氏は「イタリアーノという呼び名は複数の人に使われていた」としながらも、「パロッシ氏がPT側代表として政治献金を仕切っていた一人であることは間違いのない事実だ」と証言し、「彼と国の将来について語り合うのが好きだった」とも語った。
 モロ判事は当初、この証言を秘守事項にしようとしていた。だが地裁が誤って数分間、ビデオのデータをサイト上で公開したため、マスコミに知られることになった。
 この裁判ではパロッシ被告の弁護人としてジウマ政権の法相だったジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ氏も出廷し、「カイシャ2はブラジルの文化ともいえる行為。もちろん違法だが、古くから頻繁に行われており、賄賂でない限りは犯罪として扱うべきではない」と弁護した。