ブラジル保健省が9日、2016年の臓器提供者は2981人で前年より若干増えたが、臓器移植の順番を待ちながら亡くなった人も子供82人を含む2013人いたと発表したと11日付エスタード紙が報じた。
16年の臓器提供者は前年の2854人より少し増え、2981人だった。同年中に実現した臓器移植手術も2万4958件に増えたが、移植を待つ人と臓器のリストは4万1052点に上る。
1人で複数の臓器を必要とする人もおり、16年末に移植を待っていた人は3万4543人だった。各々が必要とする臓器は、腎臓59・9%、角膜30・9%、肝臓4・7%、その他4・5%となっている。
サンパウロ市クリニカス病院で臓器探索を担当する部署の副コーディネーター、エディヴァウド・レアル・デ・モラエス氏によると、家族などに臓器提供を求めた時に、「他人が産んだ子供の事なんて関係ないわ」という言葉が返って来た事もあったという。
全国臓器移植協会によると、16年は、同協会が家族からの臓器提供を要請した5939家族の内、2571家族(43%)が臓器提供を拒んだという。2013~16年に臓器提供を拒んだ人の割合は、44%、42%、44%、43%でほとんど変わっていない。拒絶率がより高いのは北部で、アクレ州は81%、ロンドニア州は76%、トカンチンス州も75%だった。
家族が臓器提供を拒む場合には、文化的な要因や、脳死と診断された場合は回復の余地はないという事を知らない、あるいは、臓器を摘出するために、本当はまだ可能性があるのに脳死と診断するのだろうという疑心暗鬼もあるという。
臓器提供者が増えるのは全国キャンペーンが行われた時や、映画やテレビで臓器移植の問題が取り上げられ時で、グローボ局の番組で、主人公が心臓移植を受けた2014年は、前年の271件を上回る311件の移植手術が行われたという。
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