〃リオのキリスト像〃のある所として世界的に有名な、リオデジャネイロ市コルコバードの丘で、15日の朝、シリア内戦開始より6年が経過したことを回顧する式典が行われ、国連難民高等弁務官事務所やブラジル政府、カトリックのリオ大司教区の代表や、シリアから逃れてブラジルに住んでいる芸術家、難民の家族が参加した。
国連難民高等弁務官のイザベル・マルケス氏は演説の中で、シリアで起こっている人道的惨状を強調し、現地で深まる危機への国際的な対応を求めた。
2011年3月15日に始まったシリア内戦のせいで、630万人に及ぶ人々が家を捨て、国内の安全な場所に逃れた。近隣諸国や別の大陸の国々に安住の地を求めて国外に出た人も490万人いる。ブラジルはこれまでに2500人のシリア難民を受け入れているが、この数は、ブラジルで正式に難民申請した人の4分の1に当たる。
シリア国外に逃げた難民の半数は子供か青少年だが、シリアでは学校にも通えない子供や青少年が200万人、人道援助が必要な子供たちも600万人いる。
国連の統計では、シリアでは2015年までの内戦による死者が25万人を超えている。ある国際メディアが2016年に行った調査では、47万人が死亡したとされている。
国家法務局長で国家難民委員会委員長のグスタヴォ・マッローニ氏は、多くのブラジル人が難民に偏見を持っており、シリア難民への理解が不足していると語る。
マッローニ氏は、ブラジルは多くの国々からの移民の子孫で成り立っており、移民に開かれた国だとしている。
マッローニ氏はさらに、「移民を受け入れることだけに注意を向けるのではなく、移民がブラジル社会に溶け込むことに関心を払わなくてはならない」とも語った。
「最初はエジプトに向かったけれど、定住するために必要な書類が獲得できなくてブラジルに来た。私の住んでいた街は最初に内戦が始まった所」と、バタル・アルハルバさん(29)は語る。彼女とその夫は、2年と5カ月前に娘1人を連れてブラジルにやってきた。ブラジルではさらに2人の子供を授かったという。
シリアでは看護士の資格も持つアルハルバさんは、ポルトガル語が充分に話せないため、職探しが難しいと嘆く。電気技師をしていた夫は、ブラジルではウェイターをしているという。(15日付アジェンシア・ブラジルなどより)
タグ:写真ニュース ブラジル ブラジル人 リオ 移民 ポルトガル ポルトガル語 リオ・デ・ジャネイロ