ブラジル連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は14日、オデブレヒト社関係者が12月に行った、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関する報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づいた捜査開始など全320件の要請書を、連邦最高裁のエジソン・ファキン判事に提出した。捜査対象の中にはそうそうたる大物政治家の名前が並び、政界に衝撃が走った。15日付現地紙が報じている。
オデブレヒト社現・前幹部78人(国内77人、国外1人)が行った史上最大級のデラソンはかねてから、相当数の有力政治家に言及しているとされており、ジャノー長官の捜査開始要請は、テメル政権の閣僚5人、上院・下院の現職議長、元・前大統領の名前までを含む「豪華メンバー」だとされている。
テメル政権の5人とはエリゼウ・パジーリャ官房長官やモレイラ・フランコ大統領事務局長(民主運動党・PMDB)、アロイージオ・ヌーネス外相、ブルーノ・アラウージョ都市相(共に民主社会党・PSDB)、元・サンパウロ市市長でもあるジルベルト・カサビ科学技術相(社会民主党・PSD)だ。
そこに加え、議会からはロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)や、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長、前上院議長のレナン・カリェイロス氏に上院政府リーダーのロメロ・ジュカー(いずれもPMDB)の名前もあるという。
また、昨年までの労働者党(PT)政権からも、ルーラ、ジウマの両大統領経験者、元財相経験者のアントニオ・パロッシ氏やギド・マンテガ氏(いずれもPT)、元鉱山動力相で現上議のエジソン・ロボン氏(PMDB)の名前が出ているとされる。
また、ルーラ氏やジウマ氏と大統領選を争ったPSDBのジョゼ・セーラ前外相やアエシオ・ネーヴェス上議の名前も入っているという。
ジャノー長官が提出した320件の要請書の内の83件は、最高裁が扱うべき、国政レベルの政治家たちに関する捜査開始要請だ。地方レベルの政治家や要職を離れた政治家、企業家を対象とする捜査開始要請211件は、ファキン判事の判断を経て、地裁や高裁に回される。
検察庁が320件の要請書を最高裁に送ったのは、不逮捕特権などを持つ政治家の情報も含まれているためで、ファキン判事が査証を行った後に捜査開始を許可するかなどを決める。ジャノー長官の要請には、情報開示要請や捜査見送りの意見書も含まれており、ルーラ氏やジウマ氏など、要職を離れた大物政治家がどの裁判所の扱いとなるかや情報開示がいつになるかが注目されている。 今回の捜査依頼書は整理番号を付したりしたうえで今週末にファキン判事の元に届く見込みで、同判事の査証の結果もそれから1週間~10日で出ると予想されている。