ブラジルの主要都市では15日の朝から、労働法と年金改革に反対する抗議行動が発生したと15日付現地サイトが報じている。
抗議行動は23州の州都と連邦直轄区で確認され、その他の都市でも発生した。
全国的に行われた抗議活動は、中央統一労組(CUT)系のブラジル・ポプラールや、ポーヴォ・セン・メードらによって組織された。
最も影響が大きかったのはサンパウロ市で、公共交通機関のストは多くの市民に影響した。同市地下鉄で始発から運行していたのは4号線と5号線だけで、15号線は運行を停止している。それ以外の1、2、3、5号線は午前6時半より部分的に運行を行った。1号線はアナ・ローザ~ルス間、2号線はアナローザ~クリニカス間、3号線はマレシャル・デオドーロ~ブラッセル・モオッカ間から運行を再開した。
午前9時以降、サンパウロ市交通機関公社(SPTrans)は、1号線のジャバクアラ~セー間とサンターナ~市内中央部コレイオ広場間、3号線のバーラ・フンダ~レプブリカ間でバスの振替運転を始めた。
午前10時45分には2号線スマレー、ヴィラ・マダレーナ駅も開放された。正午前にはシャカラ・クラヴィン、サントス・イミグランテス、アウト・ド・イピランガ駅も開放された。
パウリスタ都電公社(CPTM)は通常運行だった。多くのバス路線では15日の午前0時に運行が止まり、午前8時以降から段階的に運行を再開し始めた。
ヅットラ街道やラポーゾ・タヴァレス高速道にも、早朝から年金改革、労働法改正に反対するデモ隊が出て、交通を遮断した。ヅットラ街道では通行遮断で11キロに及ぶ渋滞が発生したが、午前7時5分頃、通行遮断が解かれる様子は上空のTV局のヘリから撮影された。
公共交通機関が使えないため、車のナンバーによる通行制限は、15日は行われなかった。パウリスタ大通りは午後4時からのデモのため、全車線が封鎖された。午後4時現在、市内6カ所で抗議行動が行われていた。
リオ市では鉄道、地下鉄共に通常運行だった。運転手、料金徴収員組合は、バスは終日運行しないとしていたが、朝から通常運行だった。
首都ブラジリアでは地下鉄もバスも通常通り運行されたが、1万人規模の抗議行動が行われた。午前8時50分頃、土地無し農民運動(MST)を中心とする、年金改革に反対する一団2千人が財務省庁舎に押し入り、館内の器物を破損した。