《ブラジル》労働法改正と年金改革に反対=デモでルーラ元大統領も演説=「急がないと手遅れ」とテメル大統領

【既報関連】ブラジルの多くの州(「少なくとも19州」、「23州」の報道あり)の州都と連邦直轄区で15日、テメル政権が進める労働法改正と年金制度改革に反対するデモとストライキが発生したと16日付現地紙が報じた。
「全国ストライキデー」と名づけられた抗議行動は、中央労組(CUT)系団体などによって組織された。
サンパウロ市では15日早朝からメトロやバスが一部しか運行せず、多くの市民の通勤・通学などの足に影響が出た。ズレイジ・デ・シウヴァさん(48)は、通勤で大迷惑を被ったにも関わらず、ストの目的に賛成し、「どうして私たちの年金をどうこうしようとする前に、政治家の給料を減らさないの?」と語った。
サンパウロ市では午前9時半の時点で、市内の道路で延べ201キロに及ぶ渋滞が発生した。
サンパウロ市ではまた、午後4時から、労組組合員、教師、学生、社会活動家、左派政党支持者らが、パウリスタ大通りに集まり始めた。
ルーラ元大統領もこのデモに参加し、「年金問題を解決したいならば、労働者の権利を奪うのではなく、経済を成長させろ。雇用を回復させろ。労働者の賃金を引き揚げろ」と気炎をあげた。
主催者側は午後8時半までの参加者は20万人だったと発表したが、警察側は参加者の数を発表していない。
リオ市では学生や社会活動家らがヴァルガス大統領大通りを封鎖した。同市では覆面をしたデモ隊が道のゴミに火を放ったり、銀行支店のガラスを割ったりして、警察とも衝突した。警察は催涙ガス弾で応戦した。
CUT代表のヴァギネル・フレイタス氏は、労働法改正と年金制度改革について、「連邦政府との交渉の余地はない」とした。CUTは労働法改正や年金制度改革は労働者の権利を脅かす代物と定義し、全議員に対して労働法改正と年金制度改革に反対するよう要求していくという。
なお、15日朝のサパウロ州での道路封鎖には参加したフォルサ・シンジカルと一般労組(UGT)は、午後のパウリスタ大通りのデモには現れなかった。
両組織の内部では、労働者党(PT)を利するので、パウリスタ大通りに行かないようにとの支持が出されていた。UGT会長のリカルド・パター氏は「労働法改正、年金制度改革には賛成している。政府の強引なやり方に反対しているだけ」と語った。
テメル大統領は「今、社会保障制度改革を行わなければ、4、5年後には、スペイン、ポルトガル、ギリシャのように、ずっと大きな痛みを伴う社会保障費カットが待っている」と述べた。