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リオ州で黄熱病の死者確認=保健局が予防接種を前倒し

 【既報関連】リオデジャネイロ州保健局が15日、同州でも黄熱病による死者が出た事が明らかになったと発表し、24市での予防接種キャンペーンの前倒しを決めたと16日付現地紙・サイトが報じた。
 死者が出たのは、カジミロ・デ・アブレウ市の農村地帯で、11日未明に亡くなったワチア・サントス氏(38)が黄熱病に罹患していた事が15日に判明した。
 同日は、同市内の病院に入院加療中だったアレサンドロ・ヴァレンサ・コウト氏(37)も黄熱病に感染していた事が判明し、リオ市の公務員病院に転送された。
 この二人は、黄疸や出血といった症状が見られず、発熱、頭痛、体の痛み、呼吸困難のみを訴えていたという。
 サントス氏が住んでいた同市コッレゴ・ダ・ルス区は、観光地として知られる同州北部のマカエ市サナ区や、山間部のノヴァ・フリブルゴ市ルミアル区にもアクセスが可能な地区だ。
 このような地区で2人の感染者が確認された事を受け、同州保健局はカジミロ・デ・アブレウ市での予防接種キャンペーンを15日に前倒しして開始。マカエ、ノヴァ・フリブルゴ、カーボ・フリオなど、湖周辺(ラゴ地区)と山間部、北部、北西部の24市でもキャンペーンを前倒しする。最終的には、全州民に予防接種を施す意向だ。
 16日に予防接種が行われた市の一つであるシウヴァ・ジャルジンは、約3200匹の野生のミコ・レオン・ドウラード(ゴールデンライオンタマリン)が生息する数少ない場所だ。サル用の予防接種はなく、生息数減少は必至とされている。生息数が減った時は、約200匹に減った時のように、動物園で生まれた子ザルを自然に帰して増殖を図る必要がある。
 なお、16日発表の最新統計によると、黄熱病感染が疑われる人の数は1558人で、死者137人を含む424人の感染を確認、201人は同病ではないと判明した。933人は現在も検査を継続している。州別の感染者数は、ミナス・ジェライス州325人(76・65%)、エスピリトサント州93人、サンパウロ州4人、リオ州2人となっている。