【既報関連】ブラジル国内空港の民営化のための入札が16日に行われ、フォルタレーザ、サルバドール、フロリアノポリス、ポルト・アレグレの4空港の経営権が、ドイツ、フランス、スイスの企業によって落札されたと、16、17日付現地紙・サイトが報じた。
4空港の経営権落札価格は総額で37億2千万レアル(1340億円相当)だ。また、その内の15億レアルは即刻現金で国に支払われる。
入札に参加した企業の数は3社で、決して多くなかったが、ポルト・アレグレでは文字通り激しい〃せり〃が行われ、政府が設定した最低落札額1億2300万レアルの約3倍の3億8200万レアル、即金で払うアジオと呼ばれる額は最低額の3100万レアルの9・5倍にあたる2億9千万レアルを申し出た企業が落札した。
サンパウロ市証券取引所で16日午前10時から行われた入札には、ブラジル史上最大の汚職捜査、ラヴァ・ジャット作戦の捜査対象である国内大手建設会社の姿はなく、国外企業が中心の座を占めた。
ブラジルの企業も、ブラジル空港インフラ業務公社(インフラエロ)も不参加という、これまでにはない形の入札には、ドイツのフラポート社、スイスのチューリッヒ社、フランスのヴァンシ社が参加した。これら3社は全て、空港経営業界の国際大手で、世界中で経営している空港の数は51に上る。
フォルタレーザとポルト・アレグレの2空港の経営権を落札したのはドイツのフラポート社で、落札価格はフォルタレーザが15億レアル(アジオ4億2500万レアル、以下同)、ポルト・アレグレが3億8200万レアル(2億9千万レアル)だった。
フロリアノポリスの空港はスイスのチューリッヒ社が2億4100万レアル(8300万レアル)で落札した。サルバドールの空港はフランスのヴァンシ社が16億レアル(6億6千万レアル)で落札した。
今回の入札はテメル政権発足後初の大規模公共事業民営化入札で、インフラエロを含まないという意味でも、今後の試金石となるものだ。
15億レアル(540億円相当)が国庫に即金で入り、残りの22億2千万レアルは5年間の猶予期間を置いた後に支払われる。各企業にはポルト・アレグレで25年間、それ以外は30年間の経営権が与えられ、5年間の延長も可能だ。
落札各社には、空港ごとに最低9億6千万レアルから最高23億5千万レアルまでの設備投資も求められており、その総額は66億レアルになる。
マウリシオ・キンテラ運輸相は、「世界中を視察して空港経営権入札の事例を研究した上で、入札方法を変更し、支払い期限も延長した。今回の入札は大成功だ。これで再び、ブラジルに国内外からの投資が戻って来る」と語った。モレイラ・フランコ大統領府事務局長官も、「我々はブラジルを景気回復への軌道に戻し、投資家の信頼を取りもどすために甚大な努力をしている」と述べた。