ブラジル労働省が作成した全就労・失業者台帳(Caged)によると、2月に新しく正規雇用に就いた人の数は正規雇用の職を失った人の数を23カ月ぶりに上回ったと17日付現地紙各紙が報じた。新規正規雇用者の数から失職者の数を引いた数は3万5612だった。
政府はこれを高く評価し、史上初めて、大統領自らが大統領府で発表を行った。政界汚職捜査、ラヴァ・ジャット作戦の新展開で、6人の現職閣僚を含む多数の政治家が新たに捜査対象になることが確実視される中、暗いムードを打ち消す効果を期待したものだ。
これまで、最後に正規雇用の増加が見られたのは2015年3月のことで、増加件数は9179件だった。2月に限ってみると、今年の増加は、2014年以来3年ぶりのことだ。
ロナウド・ノゲイラ労相は、「これからもずっとこの雇用増加の知らせを届ける事が出来ると確信している」と手放しの喜びようだが、経営コンサルタント会社、GOアソシアードスの経済分析員、ルイス・カステッリ氏のように、「3月は、2月のしわ寄せで、再び差し引きマイナスの数値が出るだろう」と慎重な意見も根強い。
テメル大統領は、雇用復活の兆しに喜びを見せながらも、いまだに1290万人が失業中であることから、「多くの国民が失業で苦しんでいる。今回こうして発表している結果は始まりに過ぎない」と述べた。
雇用が最も増えたのはサービス部門で、同部門単独で5万613件の雇用増だった。以下、公共行政部門で8280件、農牧畜業で6201件、製造業で3949件の雇用増を記録したが、商業は2万1千件、建設業は1万3千件、食品業界も1万5799件の正規雇用減となった。
州別で最も雇用が増えたのは、サンパウロ州の3万5612件で、サンタカタリーナ州2万5412件、リオ・グランデ・ド・スル州1万4858件と続く。最も悪かったのは、差し引き1万6342件減少のペルナンブッコ州だった。