2月23日から3月19日まで、チリで行われていたサッカーのU17南米選手権で、ブラジル代表が圧倒的な強さを発揮し、優勝を飾った。
ブラジルはグループリーグ予選をトップ通過した後、6チームによる決勝リーグに進み、その5試合を4勝1分、しかも5試合総合で17得点を奪うという並外れた攻撃力を発揮した。
決勝リーグ初戦のパラグアイ戦は2―2で引き分けたが、残り4戦、コロンビア、エクアドルを3―0で、ベネズエラを4―0で降すと、20日最終日に行われたチリ戦も5―0の勝利と、力の差を見せ付けた。
今回の代表では、バルセロナやレアル・マドリッドが早くも獲得を狙っているフォワード、7得点で大会得点王にもなった背番号11のヴィニシウス・ジュニオール(フラメンゴ)が存分に力を見せた。
だが、最後のチリ戦では、世界の強豪クラブが狙っているもう一人の選手、背番号10のミッドフィールダー、アラン・ソウザ(パルメイラス)の大活躍が光った。
これまではヴィニシウスにつなぐ司令塔としてアシスト役に徹していた通称「アランジーニョ」は、ヴィニシウスが徹底マークされると見るや、ストライカーに転身。前半44分にペナルティ・エリア外からのフリー・キックをゴール左上に豪快に決めただけではなく、後半も18分、38分と立て続けに得点を決め、ハットトリックを達成。エースが得点できなくても、これだけの得点力のある選手がもうひとりいては、相手にとっては脅威だ。
アランジーニョは地元サンパウロでは「神童」と騒がれた選手だ。もとはサンパウロFCの下部組織に属していたが、13歳のとき、コリンチャンス、インテルナシオナル、パルメイラスの3チームで引き抜き合戦が行われ、パルメイラスに移った。
アランジーニョいわく「契約金は他のチームの方がよかった。でも、パルメイラスがプロ契約までのプランも提示し、しっかりしたケアを約束してくれたから」という理由で進路を選んだ。
アランジーニョはそれ以後、2年前にU15代表に選ばれ、そこでも南米一に輝いている。アランジーニョは「僕らはそのときからほぼ同じメンバーなんだ」とし、チームワークを勝因にあげている。
ブラジルのスポーツ・メディアは「ベベットやドゥンガ、タファレルが中心となった94年W杯優勝チームも、育成世代からずっと同じメンバーで戦ってきたことで知られているが、今回のチームもそれを髣髴とさせる」とするなど、早くも大きな期待を抱かれている。(20日付グローボエスポルテなどより、21日掲載)
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