《ブラジル》中国企業の投資が勢いを増す=今年は200億ドル規模とも=電力や農業部門を中心に

2年半以上の不況に苦しみ、ようやく景気回復の兆しが見えかけてきたブラジルだが、その状況を利用し、中国が積極的にブラジルへの投資を行っていると、19日付エスタード紙が報じた。
中国・ブラジル商工会議所(CCIBC)によると、中国企業は今年、200億ドル規模に及ぶブラジル資産の購入を計画している。これは2016年に行ったブラジルへの投資額より68%増えている。
エネルギー部門、輸送、農業部門を中心に投資を考えている企業のリストには、中国南方電網公司、上海電気、国家電力投資集団(SPIC)など、ブラジルでは馴染みのない会社が名を連ねる。
CCIBCのシャルレス・タン会頭は、「多くの中国企業がブラジル市場を調査している」と語る。これらの中国系企業の中には、これからブラジルへの投資を進めようとしている企業もあれば、先行している企業もある。
例えば、国家電網公司はCPFLエネルジアを買収し、昨年の投資額ではトップだ。中交交通建設(CCCC)は建設会社コンクレマット・エンジニアリング社に資本参加した。ペンシングループは、農業部門のフィアグリル社、ベラグリコラ社に資本参加している。
企業経営コンサルタント会社、ATカーニー社の調査によると、2015年以降、中国企業は21のブラジル企業を買収しており、その総額は210億ドルに上るという。同社のインフラ部長、クラウジオ・ゴンサウヴェス氏は、「近年の政治・経済の不安定さのせいで、ブラジルは中国系企業にとって割安で、投資にはもってこいの国だと思われている」と語った。
今回の動きは、中国資本によるブラジル投資の「第三の波」と見られている。第一、第二の波ではブラジル市場への理解不足もあって、際立つ成果を挙げられなかった。第三波の今回もブラジル市場に精通しているとは言いがたいが、各企業は財務・法務部門でより豊富なサポートを受けているという。
ブラジル政財界を揺るがす大規模な汚職捜査、ラヴァ・ジャット作戦に多くのブラジル企業が関わっている事や、欧州企業には好ましくない状況下でのインフラ関連事業の入札は、中国企業にとって、株価の下落や競合相手の減少を意味し、好都合と見られている。
今後数カ月で多くの交渉が進展し、契約締結となる見込みだ。上海電気が狙っているエレトロスルの送電部門は、買収金額が33億レアルに上る見込みだ。SPICはロンドニア州のサントアントニオ水力発電所購入レースを牽引している。
ペンシングループも、昨年に引き続き、インドゥスヴァル銀行への資本参加と農業部門への投資を目論んでいるとエスタード紙は報じている。