昨年のリオ五輪男子棒高跳びで金メダルを獲得したブラジル人選手のチアゴ・ブラスが、20日にサンパウロ市西部のピニェイロス・スポーツクラブで会見を行い、世界記録更新への意気込みを語った。
昨年、22歳の若さで6メートル03センチの記録を出し、リオ五輪男子棒高跳びの金メダリストとなったチアゴ・ブラス。その僅か6年前、16歳で挑んだ2010年のユースオリンピックでは5メートル05センチで銀メダルだった。
若さと勢いによって、うなぎのぼりで記録を伸ばすチアゴ・ブラスの傍らには、2015年から正式に彼を指導しているウクライナ人のコーチ、ヴィタリー・ペトロフの姿がある。
同コーチは棒高跳びの伝説的選手、男子のセルゲイ・ブブカ(ルーマニア、1988年大会の金メダリスト)や女子のエレーナ・イシンバエワ(ロシア、2008年大会の金メダリスト)を指導した経験も持つ。
「彼は2018年には、世界記録の6メートル16センチだって跳べるよ。それほどむずかしいことじゃない」とペトロフコーチは語る。
当のチアゴからは、コーチほどの強気の言葉は聞かれず、慎重な発言が目だった。「一つ一つ歩を進めるように行かないと。でも、トレーニングでもコンスタントに6メートルを跳べるようになれば、6メートル20センチかそれ以上だって可能だと思う。コーチの言葉は大抵、その後に実現しているから、世界記録更新を僕も信じることにするよ。上手くいくといいね」と語った。
今年8月にロンドンで開催される世界陸上までに、チアゴは、最低2回のダイヤモンドリーグ出場と、トロフェウ・ブラジルへの出場を予定している。
ピニェロス・スポーツクラブとは4年間の契約を結んだが、チアゴは2015年初頭から住んでいるイタリアでトレーニングを続ける。「ペトロフコーチの重要性には髪の毛一筋ほどの疑いもない。彼は棒高跳びの概念を変えてしまった。まるで、国家を作り変えるようにね。僕は彼とのコンビを崩したくないんだ。イタリアに移って以来、彼は全ての面で僕の生活の面倒を見てくれている。競技場の中でも外でもね」とすっかり心酔の様子だ。(22日付グローボエスポルテサイトより)