世界水の日だった22日、ブラジル現地紙が、2003年から15年までの間に出された、干ばつによる非常事態宣言の数が5倍以上になったという国家水資源庁(ANA)のデータと共に、ブラジル北東部の干ばつの被害を伝えた。
干ばつによる非常事態宣言は、03年にはブラジル全土で142件出されたが、15年は723件に増えた。非常事態宣言を出した自治体の数も、13年間で137市から410市へと、3倍になった。
現在ブラジル北東部を襲っている干ばつは、1961年以来最悪とされている。ANAによると、同地域の貯水池の平均貯水率は13・8%で、国家統合省は、北東部の835の自治体が緊急事態下にあるという。
この状況を受け、国家統合省は、被害を受けている自治体に井戸堀りや給水車の派遣、水路建設などの援助を申し出た。その後も状況の推移を注視している。
しかし、専門家によれば、ブラジルの治水政策は大半が短期的にしか機能せず、長期的視点での政策が欠けているという。
サンパウロ総合大学(USP)の気象学者マリア・シケイラ氏は、2000年代になってからの干ばつの増加は、太平洋の海水温度上昇で北東部に高温の空気が留まるようになり、雨を遠ざけた結果だと説明すると共に、世界にはもっと乾燥が激しいが、治水政策が上手く機能し、生き延びている地域もあるとも指摘する。
ANAと国家統合省は2018年に治水保安計画を発表する予定だ。同計画では、貯水ダムや配水路の建設など、水資源管理のために必要な施策を指摘する。
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