「世界水の日」の22日、非政府団体のSOSマッタ・アトランチカ(大西洋岸森林地帯)が、ブラジル国内11州73市、240カ所で行った川の水質検査の結果を発表した▼各観測点で採取した水は、温度や透明度、臭い、酸性度、金属や燐、窒素などの無機物と菌や微生物の種類や量、酸素の含有量、流れてくるゴミの量などに基づき、最良、良、普通、悪、最悪に分けられる。昨年3月から今年2月にかけて得たデータでは、最良0%、良2・5%、普通70%、悪26・3%、最悪1・2%だった▼川の汚染の最大の原因は、生活排水や鉱工業廃水の流入だ。生ゴミが腐って出る汚水や農薬、土地の浸食などで流れ込む土砂も、水質を悪くする▼水質が前年より悪化した15カ所の内13カ所は州都などの市街化地域にある事や、水質が改善した18カ所は原生林が残っているか植林が行われた地域と下水処理施設などが作られた地域にある事は、人の活動がいかに大きな影響を与えるかを物語る。また、状況不変の134カ所中34カ所は悪か最悪という点も気がかりだ▼22日朝のTVニュースでは、サンパウロ市の地下を走る水路にも大量のゴミが流れ込んでいる事や、水路の壁にグラフィックアートが施されている事を報じたが、水路や川に流れ込んだゴミは洪水や水害の原因にもなる。また、川の汚染は、流域の飲み水確保や農林水産業だけではなく、海洋部の漁業などにも影響する。サンパウロ州の水不足は一息ついているけれど、北東部の干ばつは今も続き、連邦直轄区を含む850超の市で水不足が起きると予測されている。生きていくために不可欠な水の大切さを今一度考え直し、節水などに努めたい。(み)