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ブラジル連邦検察庁長官が最高裁判事に厳しく反論=「検察漏えい説は嘘」と=政治家からの疑念は強く=上院は職権濫用法へ前進か

モラエス新判事の就任式でのジャノー長官(右)とメンデス判事(Lula Marques/AGPT)

モラエス新判事の就任式でのジャノー長官(右)とメンデス判事(Lula Marques/AGPT)

 ブラジル連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は22日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の情報漏えいを批判したジウマール・メンデス氏を批判する発言を行った。一方、連邦議会では、検察庁などへの締め付けが厳しくなりそうな動きが再燃している。23日付現地紙が報じている。

 事の発端は、19日付フォーリャ紙が掲載した「LJではまだ秘守事項のはずのオデブレヒト社の報奨付供述の内容が広範囲かつ選択的に漏れているのは、検察側の誰かが情報提供者を明かさないことと録音はしないことを条件に、マスコミを集めて、情報を流しているからだ」というオンブズマンの記事だ。
 メンデス判事は21日の最高裁法廷でこの記事に言及し、「情報漏えいは一種の恐喝で、責任法違反に問われるべき」という表現で検察庁側の責任を追及すると共に、連邦警察がカルネ・フラッカ作戦の情報を公開した際のあり方も批判した。
 メンデス判事は昨年12月にも、選択的な情報漏えいに対する最高裁側の態度を明確にするべきだと主張していた。
 これに対しジャノー長官は22日、メンデス判事の名前を伏せた形で強烈な批判を返した。
 同長官は、選挙検察官の会合の中で、「マスコミを集めて情報を流しているなどという発言は無責任なでたらめだし、問題の記事の内容についての釈明を求められたこともない」と反論した上、「私たちは、政治権力の恥部におべっかを使うようなことからは一線を引きたいと思っている」という発言までした。
 メンデス判事がテメル大統領や閣僚たちとの夕食会に出席したりしていることは、メディアでも報じられている。
 メンデス判事はかねてから、政治汚職に関して寛容な発言が目立ち、それを取り締まろうとする検察に対して「法を超える存在であってはならない」といった発言を行って、ジャノー長官が反発したことが過去にもあった。
 この発言の後、メンデス判事とジャノー長官は共に、アレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁新判事の就任式に出席した。この席で祝辞を述べたアロイージオ・ヌーネス外相(民主社会党・PSDB)も、「オデブレヒトの報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)が(最高裁の承認を得る前に選択的に)漏れているのは許しがたいことだ」と発言している。
 PSDBの大御所であるカルドーゾ元大統領は21日、マスコミの取材に答え、「裁判所と検察の代表がけんかをするのは良くないね」との見解を示しつつ、「情報漏えいがこれほど頻繁に起きているのは何故なんだ」と疑問を呈している。
 一方、上院の憲政委員会は22日、司法や検察の権力を弱めかねないとして昨年12月に物議を醸し、止ったままになっていた「職権濫用防止法」に関する審議を早めようとする動きを見せた。同委員会の委員長は、LJ絡みの疑惑が取り沙汰されているエジソン・ロボン上議だ。