【既報関連】17日に行われた連警の捜査でブラジル食肉業界の品質検査不正疑惑が明るみに出たことで、ブラジルの食肉輸出が大打撃を受けていると23日付現地紙が報じた。
社会農業開発省が22日に発表したデータによると、ブラジルの1日あたりの食肉輸出額の平均は6300万ドルだったが、21日は7万4千ドルに激減した。ブラジル産食肉の主要輸入国がブラジル産食肉の安全性に不安を覚え、輸入制限を課したことが主な要因だ。
疑惑発覚後の日々の食肉販売データを集めているマルコス・ペレイラ商工開発相は、「状況が不透明なため、輸出業者が出荷を控えた部分もある。輸出先で製品が止められると、保管コストは国内よりずっと大きい」と語った。
22日に上院で状況説明を求められたブライロ・マッジ農相は、年15億ドル程度の損失が出るとの見通しを示した。
同農相はさらに、中国と香港が、ブラジルの釈明で良しとせず、品質検査汚職疑惑の捜査対象21社の製品だけでなく、ブラジル産食肉の全面輸入停止措置を取っているとした。
商工開発省のデータによると、ブラジルは昨年、137カ国に137億7千万ドルの食肉を輸出した。これは輸出総額の7・7%を占める。
ブラジル肉の輸出先の1位は中国で17億5千万ドル、2位は香港で15億1千万ドルだ。両者に対する捜査対象外企業の製品の輸出制限解除に向けた説得は急務だ。
日本やアルゼンチン、ウルグアイ、チリは、3社を操業停止に、18社を輸出禁止にしたブラジルの姿勢を支持して、捜査対象外の企業の製品の輸入は継続するとしている。