ブラジル連邦警察が17日に敢行した食肉業界の不正摘発「カルネ・フラッカ作戦」は、国内外の消費者を不安に陥れ、ブラジル産食肉の輸入停止を決める国の続出や食肉加工工場の操業停止などを引き起こした。
賞味期限を過ぎ、腐った肉も薬品処理などを施して販売、加工していたとか、原材料として記載された品以外の物が混ぜられていたといった報道を聞いて不安にかられ、「私は何を食べればいいの?」と思い悩んだ消費者の中には、その日の内に冷蔵庫の中にあった牛肉や加工品を全部捨てたという人もいる。
主婦のアドリアナ・マウタ・ブランコさんも、牛肉や加工品を全部捨てた一人だ。問題のある品を子供達に食べさせる勇気はないと言う彼女は、牛肉や加工品の代わりに野菜を使った料理を工夫し、食卓に並べている。
教師のクレシア・マガリャンエスさんも、当面は牛肉とリングイッサは食べないと決めた。「リングイッサを見ると胃袋を丸ごと握りつぶされているような気がする」と言うマガリャンエスさんは、牛肉や加工品の代わりに魚と鶏肉を使うつもりだ。
食事のたびに赤肉を食べていたという広告代理店のマルセル・ベリさんは、「肉を見てもこれまでのような愛着心は感じない」として、消費量を減らすと共に、オーガニックの肉を買う事を考えているという。
ホルモン剤などは使わず、餌も無農薬のものを使って育てた牛の肉は、通常の牛肉より120%程度高い。オーガニックの鶏肉は通常の鶏肉の約4倍する。
だが、オーガニックの肉を生産するコリン・アグロペクアリア社では、連邦警察の作戦以降、自社経営の店7店舗での鶏肉の需要が100%、委託販売のスーパーでの売上も40%増えている。
魚の養殖業者の組合でも、同作戦以降、魚の仲介業者からの注文が増えているという。
栄養学者は、牛肉、豚肉、鶏肉、魚は栄養価などが異なるため、組み合わせて利用する事が望ましいとし、短絡的に赤肉を除く事は避けるよう勧めた。また、肉類を買う際は、生産地や生産者などを確認して購入するよう忠告している。(24日付フォーリャ紙より)