【既報関連】テメル大統領(民主運動党・PMDB)が、年金制度改革の対象から、州や市に務める地方公務員を外すことを発表したことで、少なくとも7部門の職種からも年金改革から外れようとする動きが出てきたと、26日付現地紙が報じた。
年金改革対象からの除外や、新制度の緩和を求める各所からの圧力は強まるばかりだ。除外を求める働きかけを強めているのは、連邦警察、判事、検事、教師、連邦公務員らだ。しかし、政府は、年金改革案は固まったとしている。
農村労働者や鉱山労働者などの健康被害発症リスクのある労働者は、現行システム通り、短い支払い期間で、若くして定年退職できるよう求めている。
先週21日に出された、州と市の公務員を対象外とするとの発表は、国民の間に不公平感を生じさせた。
例えば、連邦大教授の定年は65歳からだが、州立大教授は改革対象外になるため、連邦大教授より定年の条件が緩くなるといった事が起こる。
ブラジル全国連邦警察連盟(Fenapef)のルイス・ボウデン会長は、州所属の市警や軍警、市所属の市防衛隊と、国の管轄である連邦警察、国道警察、刑務所管理官は同様に扱われるべきとの見解を示し、「デモの予定もあるし、ストも視野に入れているグループもある」と語った。
非営利の保健医療、教育、社会福祉団体からも不満が上がっている。これらの団体は、非営利であるがゆえに、年金支払いにおいて優遇措置がとられてきたが、それが奪われる可能性がある。
非営利団体国民会議のクストジオ・ペレイラ会長は、「貧しい人々の助けとなっている非営利団体の教育機関はレベルも高いし、医療機関は統一医療保健システム(SUS)の6割を受け持っている」とし、優遇措置を奪うべきではないと主張した。
マンスエト・アルメイダ財務省経済監視局長は「目的は、年金制度を職種に関わらず同一にすること。これ以上、年金改革対象から外れることを求める圧力があっても、『ノー』と言わざるを得ない」と語った。
地方公務員を年金改革から外す事は、地方公務員の年金制度改革の責任を州や市に負わせるということで、地方公務員たちが有利な年金制度を享受し続けるわけではないと、同局長は続けた。