今年に入り、サンパウロ市では大雨でもないのに信号が故障して、修復にも時間がかかる例が増えていると26日付現地紙が報じた。
市内中心部のアロウシェ街とアウローラ街の交差点は、信号が故障して2週間が経った。「これまで大きな事故がなかった事が不思議なくらい」とか、「車を避けて通らなくては…」といった嘆きの声が、住民や同地を頻繁に通過する市民から聞かれている。
サンパウロ市交通工学公社(CET)は、故障が発生すると現場に三角錐のコーンを置き、状況の制御を図っている。
サンパウロ市では、セントロを中心に信号の故障が頻発している。今年に入ってから3月17日までだけで5765件で、1日平均76件だ。サンパウロ市には信号が6387カ所設置されている。
故障の理由は様々だ。今年始めにハダジ市政からドリア市政に変わったが、保守契約が更新されておらず、メインテナンスが滞っている。CETは昨年12月まで、信号が故障するたびに修理のために契約していた三つの業者から1社を派遣するか、自前の職員を送っていたが、現在は、より少ない人員で場当たり的な対応となっている。
また、市内の信号の81%は古い型であることや、電線やシステムなどを盗んだり壊したりする被害が続いていることも原因となっている。
CET社長ジョアン・オタヴィオ氏によれば、信号修復企業との契約はままならず、4月からは同社が単独で対応しなくてはならないとした。4月以降、新たな契約が結ばれるまでは、更なる故障増加が懸念される。
サンパウロ市は先週、市内の信号整備事業請負で8100万レアル(28億3500万円相当)規模の入札規定を公表したが、受注企業決定までには数カ月かかる見込みだ。