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ブラジル郵便公社=負債を抱えて業務を縮小=局閉鎖や郵便物不着も続出

 品質管理で国際的な認定書も獲得し、国内で最も信頼出来ると言われた企業が、今や庶民の頭痛の種―。これが、現在の郵便公社だと28日付G1サイトが報じた。
 郵便公社を巡る最大の問題は、メンサロン事件発覚前から取り沙汰されていた政治家による役員指名とその弊害、一向に減らない負債の二つだ。
 郵便料金凍結や新分野への進出が困難などの理由で生じた負債は、15年が20億レアル。16年もほぼ同額で、今年1~2月も赤字だった。
 負債解消の一般的な方法の一つは人員整理で、同公社も、希望退職者募集、支局の統廃合といった方法を採用している。
 この影響は、配達員を見かけなくなった、近くの局が閉鎖された、挙句の果ては郵便物が届かないといった苦情に繋がっている。
 サンパウロ州サンジョゼ・ド・リオ・プレットでは戸別配達は土曜日のみ。ミナス州ポッソス・デ・カルダスも配達を行う日と行わない日がある。配達の有無は配達員の怠惰が原因ではなく、郵便公社の方針で、請求書などが届かなくて困った人が後を追って探し歩く必要さえ生じている。
 また、支局閉鎖も深刻で、リオ・グランデ・ド・スル州山間部のカシアス・ド・スルでは、市民が40年以上も慣れ親しんだ局も含め、3局が6月までに閉鎖される。町に一つしかなかった局が閉鎖され、隣町まで行く必要が生じたという例もかなりある。
 全国郵便局員連盟は、「政治家が役員を指名するため、経営方針がすぐに変わり、持続可能な経営形態をなしていない」と批判する。また、希望退職者が5500人しか集まらず、目標の8千人に届かなかったため、肩たたきも起きている。
 希望退職者募集は3年間で3回行われ、残業手当もカットされたが、新規採用の予定はない。配達員の不足は30%に達し、3人で配っていた区域を1人で配るといった無理も発生。1週間で届いていた品が、数カ月後に着くといった不都合も生じているため、手紙や請求書の配達を優先するというが、このままでは現状改善の余地はない。