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電力泥棒の被害は年80億レ=毎日5%がどこかに消える

 ブラジルでは毎日、総発電量の5%程度が盗まれており、2015年の場合、年間の被害額は80億レアルに上った。
 全国の発電量の5%は1500万メガワットに相当し、サンタカタリーナ州に住む700万人が使うのに足りる量で、15年に不法配線などで盗まれた電力の被害総額は年80億レで、ペトロブラスがラヴァ・ジャット作戦で判明した損失額として同年に計上した62億レを軽く凌駕する。
 これらの数字は電力問題が専門のアセンデ・ブラジル研究所が算出したものだ。悪い事に、発電量と消費者から徴収した電気代分との差は、きちんと電気代を払っている消費者の負担となる。
 電力泥棒は北部が最も多く、アマゾナス州のエレトロブラス管轄地域では発電量の32・5%、アマパー州電力公社の管轄地域では28・1%が盗まれていた。
 盗まれている電力量が最も多いのはライト社が管轄するリオ州だ。同州では正規の顧客への回線が420万本あるが、電力が盗まれていた回線は125万本に上る。バイシャーダ・フルミネンセの不法回線は40%、北部や西部でも30%に及ぶという。
 同州全体で盗まれた電力は総発電量の23・4%相当の6千メガワットで、隣のエスピリトサント州全体の消費電力に相当する。ライト社によれば、電力泥棒を完全に防ぐ事が出来れば、同州の電気代は17%安くなるという。電力泥棒の数が多いのはファヴェーラだが、1件当たりの被害額が大きいのは、高級住宅街やマンションなどだともいう。
 電力会社を悩ませるのは電力の盗難被害だけではなく、電気代が払えない消費者も多い事だ。2年以上に及ぶ不払いの額は年30億レを超えており、盗まれた電力と未回収の電気代による損失は計110億レに及んだ。(26日付エスタード紙より)