国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の所長を務めていた那須隆一さん(55、京都)が退任し、斉藤顕生さん(52、北海道)が11日に新しく就任した。あいさつのため23日、両氏が来社した。
「22年ぶりのブラジル」と話した斉藤所長は1992~95年にブラジル赴任経験を持ち、ベロ・オリゾンテに1年、カンピーナスに2年滞在した。その他にもインドやトルコ、東欧諸国での赴任経験も持つ。
「那須さんの職務を引き継ぎながら、大きな存在感を持つ日系社会を通じ、日伯間の関係強化を目指したい。やることはたくさんある。また亜国など近隣諸国の変化を見極めつつ、政府に貢献していきたい」と就任について語った。
現在考えている日伯関係の盛り上げについては、ビジネス面でのアプローチを考えている。「食関係の日本企業が新たに出てきていない。関係するようなボランティアの派遣を進めていきたい」と期待した。
約1年半の勤務となった那須さんは、自身にとって初の南米地域赴任、日系社会関連業務に携わった。「赴任前は日系社会のことなど知らなかったが、ブラジル内での大きさ、重要性を痛感した。日本でも日系社会について発信していきたい」と日本での活動に意気込んだ。