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サッカー・サンパウロ選手権=4月より決勝トーナメント=伝統の大会、今年の行方は?

3月29日のコリンチャンス対リネンセ戦より(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

3月29日のコリンチャンス対リネンセ戦より(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

 4月1日よりサッカーのサンパウロ州選手権の準々決勝が行われる。
 ブラジルでは、毎年2月から5月まで州ごとの大会が開催され、いわゆる全国レベルのリーグ戦は5月中旬から12月までとなる。
 州規模の大会と、全国規模の大会が並列に行われるのは世界のサッカー界でも稀だ。全国リーグと州別大会は基本的には連動しておらず、州別大会で2部降格しても、全国リーグには影響しない。
 州別大会にだけしか参加できず、5月中旬以降、来年の州大会まで公式戦のないチームも多く存在する。ただし、全国4部だけは、州大会と連動しており、サンパウロでは「州1部で、すでに全国リーグ3部までに入っているチームは考慮に入れないで、上位に入ったチームは翌年の全国4部リーグに参加できる」規定がある。
 ブラジルのサッカーは元々、100年以上も前にはじまった州別選手権から発展し、現在のような形の全国規模の大会が発足したのは1971年という、サッカー先進国においては異色の歴史を持っている。
 コリンチャンス、パルメイラス、サンパウロFC、サントスと、国を代表する4チームが所属するサンパウロ州選手権はとりわけ盛り上がる。
 このサンパウロ州選手権1部には州内から16チームが多数参加し、2月~3月はその16チームが4チームずつ、4つのグループに分かれて戦う。
 「16チームが4チームずつ、4つのグループに分かれて戦う」と言えば、同じグループのチームが総当たり戦を行い、各組の上位2チームが8強入りとなるのが通常だが、サンパウロ州選手権1部世界でも類を見ない方式を採用している。
 それは「同じグループのチームとは戦わず、違うグループのチームとだけ戦い、その戦績で順位を決める」点だ。
 同じグループのチームと総当りだと、1回戦総当りだと3試合、ホームアンドアウェイの2回戦総当りでも6試合しか行えず、興行面を考えて、「他のグループのチームと一回戦総当り」という不思議な仕組みをひねり出したのだ。
 そうすることで、一次リーグの試合が、各チーム12試合、ホームゲームが6試合確保できる。
 そして、4月からは、各組上位2チームによる決勝トーナメントがはじまる。今年はこのトーナメント進出チームの中に、4強がしっかり含まれている。
 準々決勝の組み合わせは1日にボタフォゴSP対コリンチャンス、ポンテ・プレッタ対サントス、2日にリネンセ対サンパウロ、ノヴォリゾンチーノ対パルメイラスと決まった。サントスと対戦するポンテ・プレッタも全国選手権1部の強豪だ。7日から10日にかけて同じ組み合わせで2戦目が行われる。
 サンパウロ州選手権は、近年はサントスが強く、昨年、一昨年を含め、この7年で5回も優勝している。通算優勝回数ではコリンチャンス27回、パルメイラスとサントスが22回ずつ、サンパウロが21回だ。(3月31日掲載)