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《ブラジル》18年統一選=民主社会党内でドリアの大統領候補案浮上=アエシオのダメージ次第で

29日のドリア市長(Fabio Arantes/SECOM)

29日のドリア市長(Fabio Arantes/SECOM)

 民主社会党(PSDB)の内部で、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でアエシオ・ネーヴェス党首のイメージが大きく損なわれた場合の同党の大統領候補に、ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長を推す可能性を認める声がアエシオ氏の側近たちからも高まりはじめていると、30日付フォーリャ紙が報じている。
 同党の18年大統領選候補争いは、14年に出馬したアエシオ氏と、12年ぶりにその座を目指すジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事、8年ぶり3度目を目指すジョゼ・セーラ前外相の争いとなっている。
 現時点では、党首のアエシオ氏自身に出馬の意向が強く、やはり有力と見る向きもある。
 だが、ラヴァ・ジャット作戦で疑惑の政治家として名前があげられ、国民からの支持が落ちてきているのが現状で、昨年12月にオデブレヒト社が行った報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)の内容次第では、決定的なダメージを受けるとも予想されている。
 そこで党内のアエシオ派は、1月の就任以来、異例の高支持率を誇るドリア氏を、「もしも」の際の大統領候補として考えはじめたという。
 事実、同党のアントニオ・インバサイ大統領府総務室長官は17日にサンパウロ市を訪れ、ドリア市長と個人的な昼食会を行ったことが報じられている。さらに同党上院リーダーのパウロ・バウエル氏も「ドリア氏はブラジル政界に登場した大型新人だ。これからも大躍進する」と賞賛している。
 サンパウロ市市長候補選びの際には党内の別候補を推していたカルドーゾ元大統領も、現在はドリア氏に注目しはじめているといい、セーラ氏の陣営も、同氏やアエシオ氏の出馬がかなわない場合にドリア氏が候補になることを考えているという。
 既にアエシオ派は、アエシオ氏不出馬の場合の「プランB」として、アントニオ・アナスタジア氏を副候補としてドリア氏を大統領候補にする案まで立てており、アエシオ氏自身が保証人となるつもりだという。
 関係者によると、選挙経験が1度しかないドリア氏はLJで問題になっている秘密口座による献金で足をすくわれる危険性がない上、LJ問題で揺れている左翼のルーラ氏や、急速に人気を集める極右のジャイール・ボルソナロ氏といった候補も切り崩せる強力な候補と見られている。
 ただ、ドリア氏は重ね重ね、大統領候補になることを否定している。それは、自身の市長選挙を全面的に支援し、他党に移籍してでも大統領選出馬をと願っているアウキミン知事を裏切りたくないからだ。また、実際に候補となるには、短期間でサンパウロ市政での成果を出すことや、市民の同意取り付けも必要となる。