3月30日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関する裁判で、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告に15年4カ月の実刑判決を言い渡した。また、連邦検察庁LJ捜査班は、進歩党(PP)と同党議員らに対し、ペトロブラス(PB)の事業契約の不正で得た賄賂の返還と、国庫に与えた損害に対する賠償金の支払いを求めるなど、LJに関与した政治家に対する取締りが強くなりはじめた。3月31日付現地紙が報じている。
クーニャ被告に対する裁判は、同被告が下院議員だった2011年に、PBがアフリカの国ベナンの油田を購入した折りの不正に関するもので、150万ドルの賄賂を受け取ったとの容疑を持たれていた。
これはクーニャ氏の民主運動党(PMDB)と縁の深いPB国際部での不正だ。クーニャ氏の罪状は、PBがベニンの油田の開発権の50%を3450万ドルで購入した際、スイスの秘密口座を使って150万ドルの賄賂を受け取ったことに伴う、収賄と資金洗浄、外国為替の不正脱税だ。
モロ判事は判決文で「連邦議員という重い責任を持つ立場にありながら、選挙民の信頼を裏切り、私腹をこやすという行為に勝る重罪はない」と断罪。三つの罪で懲役15年4カ月の判決を言い渡した。
クーニャ被告は昨年の4月17日、下院議長として、当時のジウマ大統領(労働者党・PT)の下院での罷免投票を指揮したが、それから1年以内に議長職停職から議員罷免、逮捕となり、今回の判決を受けた。
これはまだ第1審であるため、控訴は可能だが、クーニャ被告はLJの件で、さらに二つの裁判を抱えている、また、その他にも、少なくとも五つの疑惑で、捜査対象となっている。
巨額23億レを請求
また一方で、連警検察庁のLJ捜査班(クリチバ)は、PPと同党所属の現職下議6人、元下議4人、故ジョゼ・ジャネネ下議の補佐官1人に対し、PBの事業契約で得た賄賂の返金と国庫への賠償金として、計23億レアルを支払うよう求める民事訴訟を起こした。
PPは、PMDB、PTと並び、PBの事業契約で収賄を行っていた3大政党のひとつで、契約金の1%を賄賂として受け取っていた(PMDBが2%でPTは3%)疑いが持たれている。
PPへの賄賂は、PB供給部が管轄していたPBおよびブラスケン関連の事業契約に関するものだ。ブラスケンは、PBがオデブレヒト社と共同出資している石油化学系子会社だ。
検察は、今回の民事訴訟の対象となった、マリオ・ネグロモンテ・ジュニオール氏をはじめとする現職下議6人の政治生命剥奪も求めている。
なお、疑惑の政治家のひとりのペドロ・コレア元下議は、メンサロン事件とLJの双方で既に実刑判決を受けている。