昨年11月末にコロンビアで発生した飛行機事故で、監督、選手、チーム首脳陣のほとんどが亡くなったブラジル南部のサッカーチーム、シャペコエンセ。このチームと戦うはずだったアトレティコ・ナシオナルが、事故からほぼ4ヵ月後、再びシャペコエンセと対戦するために、シャペコーに到着した。
この試合は、事故後に大規模な追悼儀式を満員のスタジアムで行ったアトレティコ・ナシオナルとシャペコエンセの友情に端を発する、単なる親善試合ではない。
昨年11月の両チームの試合は、スルアメリカーナ杯の決勝戦となるはずだった。
事故のため、決勝戦が行われることはなかったが、アトレティコ・ナシオナルはシャペコエンセに同大会優勝の座を譲ると申し出て、南米サッカー連盟もこれを了承、シャペコエンセはスルアメリカーナ杯優勝チームとなった。
アトレティコ・ナシオナルはその年の7月に、クラブチームの大会としては南米最高峰のリベルタドーレス杯で優勝していた。
リベルタドーレス杯優勝チームと、スルアメリカーナ杯優勝チームは、翌年、レコパ・スルアメリカーナというタイトル戦を争うことになっており、今年のレコパはアトレティコ・ナシオナルとシャペコエンセが戦うことになる。
この大会は南米の各国リーグがそれぞれ異なるカレンダーで試合をしているため、毎年決められた時期の開催とはならず、当該チームの都合で日程が決まる。
今年の日程が4月4日にシャペコエンセの地元シャペコーで初戦、5月10日にアトレティコ・ナシオナルの地元メデリンで2戦目と決まったのは3月末のことだった。
急遽シャペコー行きが決まったアトレティコ・ナシオナルは、ブラジルで大歓迎を受けた。
試合前日の3日午後1時45分、アトレティコ・ナシオナルの乗った飛行機がシャペコーの空港に到着すると、地元消防隊が放水車を出して水のアーチを作り、飛行機を迎えた。
選手たちが飛行機をおりると、アトレティコ・ナシオナルの緑の旗を持った地元の子供たちが花道を作り、選手たちを歓待した。
シャペコー市は友情のメダルを作成し、空港で授与式も行った。授与式では、事故機に搭乗していたが奇跡的に生き残った、ジャーナリストのラファエル・ヘンゼル氏もプレゼンターを務めた。
アトレティコ・ナシオナルの選手たちが乗り込んだバスは、消防車の先導でホテルに向かった。ホテルでも、シャペコエンセのサポーターが出迎えた。
シャペコエンセ対アトレティコ・ナシオナルの試合は、現地時間の4月4日午後7時15分に行われる。(3日付グローボエスポルチサイトより)