1日発売の「ヴェージャ誌」上で、オデブレヒト・グループ元幹部がラヴァ・ジャット作戦(LJ)での報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で、民主社会党(PSDB)党首で同党の14年大統領候補だったアエシオ・ネーヴェス氏に賄賂を払ったと語ったことが暴露され、波紋を投げかけている。また、相次ぐオデブレヒト社のデラソンの漏洩も問題視されている。
問題のヴェージャ誌は同氏の顔で表紙を埋め尽くし、「次はアエシオの番」とのタイトルを掲げた上で、アエシオ氏が国外にある口座でオデブレヒト社からの賄賂を受け取っていたと報じた。
同誌によると、それは昨年12月に行われたオデブレヒトの関係者78人が行ったデラソンの一部で、同社インフラ部門の系列会社元社長で、グループ内では3番目に重要とされるベネジクト・ジュニオル氏(通称BJ)が語ったものだ。
それによると、アエシオ氏への賄賂は、同氏がミナス・ジェライス州知事だった2007年から10年にベロ・オリゾンテ市で行われた「シダーデ・アドミニストラチヴァ」建設や、ミナス・ジェライス州電力公社(CEMIG)も参加するコンソーシアムによるロンドニア州のサントアントニオ水力発電所の建設にまつわる事業に関するものだったという。
BJ氏は、これらの事業に関連する賄賂を、アエシオ氏の姉のアンドレア氏がニューヨークの銀行に持っている口座を通して支払ったという。
アンドレア氏はジャーナリストで、政界に入って間もない時期からアエシオ氏のアドバイザー的な立場をつとめてきた。ミナス州政府の報道・通信部門にも関わったりしていたこともあり、これまでも不正や汚職の疑惑を持たれたことがある。
また、2003年から現在までにアエシオ氏に払われた額は7千万レアルに上り、内5千万レアルは、オデブレヒトがサントアントニオ発電所建設工事を落札した07年以降に払われたという。
この報道に対し、アエシオ氏側は、同号内での取材の時点で否定し、発売後に改めて否定。さらに最高裁に対し、BJ氏が語ったとされるデラソンの内容にアクセスする許可を申請した。
オデブレヒトのデラソンは原則、最高裁のLJ報告官、エジソン・ファキン判事が許可を出すまでは一切公表禁止となっているが、同件を含め、この数カ月間に次々と漏洩が起こっていることから、政界が検察庁に疑念を抱き、両者の対立が強まっている。
この報道の真偽のほどはまだ明らかではない。ただ、18年大統領選におけるPSDBの候補者争いは、アエシオ氏へのダメージが強まることでより混沌化することが避けられない状態となっている。とりわけ、「PSDBからの出馬がかなわなければ移籍して出馬」とも言われている、サンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事陣営の動きが気になるところだ。