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《ブラジル》ジウマ/テメルの大統領選違反裁判は延期に=ジウマ側がさらなる証人求め=最速でも再開は今月下旬=サンターナ夫妻はデラソンも

4日の選挙裁(Foto: Roberto Jayme/Ascom/TSE)

4日の選挙裁(Foto: Roberto Jayme/Ascom/TSE)

 選挙高等裁判所は4日から、14年大統領選におけるジウマ/テメルのシャッパに対する選挙違反疑惑に関する裁判を行う予定だったが、ジウマ前大統領側の見直し要求が起こったため、裁判は今月後半以降に延期となった。これに伴い、裁判の行方にも変化が生じる可能性が高まった。4日付G1サイトなどが報じている。

 問題の裁判は午前9時から始まり、形式通り、裁判に関する質問などを受け付けていたが、ジウマ氏の弁護人のフラヴィオ・カエターノ氏が「オデブレヒト社関係者の供述をよりよく理解するために5日間ほど時間がほしい」と申し立てた。
 カエターノ弁護士は、新たな証言者の供述を聞いた上で、見解を述べたいとした。
 この裁判で報告官をつとめているエルマン・ベンジャミン判事は当初、この申し立てに反対し、最初に想定した通り、期限を2日にするように求めた。だが、他の判事と意見を交わすうちに、要求通りに期限を延ばすことを了承した。
 同裁判所の判事ら7人は全員一致で、新たな証言者4人から供述をとった上、それからの5日間をジウマ氏側の弁護士らが供述内容を吟味する期間とすることを認めた。
 そして、この時点で、裁判全体が最低でも、4月下旬まで延期されることが決まった。それは、ジウマール・メンデス長官が6日から米国やポルトガル、フランスに旅行することが決まっており、25日にしか帰国しないためだ。
 今回の裁判の日程は、判事のひとりであるエンリケ・ネーヴェス氏が16日に退任するため、6日を最後に裁判に参加できなくなるということで、急ピッチで審理する予定が組まれていたが、結局、急ぐ必要がなくなった。
 選挙高裁では、5月にももうひとり、ルシアナ・ローシオ判事が任期切れを迎える。
 延期の理由ともなった新たな証人は、選挙キャンペーン中に賄賂を受け取ったとされる、ジウマ陣営の選挙参謀のジョアン・サンターナ被告と妻のモニカ・モウラ被告、彼らの部下で、選挙戦でも夫妻を助けたとされるアンドレ・サンターナ被告、ルーラ~ジウマ政権の財相で資金管理を行っていたとされるギド・マンテガ被告の4人だ。
 また、最高裁のファキン判事は4日、サンターナ被告とモニカ被告、アンドレ被告がラヴァ・ジャット作戦(LJ)で報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)を行うことを承認した。サンターナ夫妻は共に、2月のLJ裁判で、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事から8年の実刑判決を受けているが、この2人がどういうデラソンを行うか。政界に激震が走ることも予想される。