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シャペコエンセ=アトレティコ・ナシオナルと対戦=闘争心を脇に、友好を深め合ったタイトルマッチ

試合前のセレモニーに登場した、飛行機事故の生還者たち(Sirli Freitas/Chapecoense)

試合前のセレモニーに登場した、飛行機事故の生還者たち(Sirli Freitas/Chapecoense)

 【既報関連】ブラジル南部の田舎町、シャペコー市を本拠とする小規模サッカークラブ、シャペコエンセは昨年、南米で2番目の権威を持つクラブチームの国際大会、スルアメリカーナ杯で決勝に進出し、11月末にコロンビアのアトレティコ・ナシオナル(AN)と決勝戦を戦うため、チャーター機でメデリンに向かったが、その飛行機が到着目前に墜落。多くの監督、選手、チーム関係者が命を落とした。

 決勝戦が行われることはなかったが、その後、ANはシャペコエンセに同大会の優勝の座を譲り、シャペコエンセは正式にスルアメリカーナ杯優勝チームとなった。
 同じ年の南米クラブ最強を決める大会、リベルタドーレス杯で既に優勝していたANは今年、シャペコエンセと、公式戦であるレコパ・スルアメリカーナで対戦することとなり、幻の決勝戦から4カ月後、両チームは再び顔を合わせることになった。
 ホーム&アウェイで行われるこの大会、初戦はシャペコエンセのホームで4月4日に行われた。
 悲劇の中でも友情を深めた両チーム、ANがシャペコーに到着してから、既に地元の歓迎ムードは高まっていた。
 試合開始の1時間ほど前から、スタジアムでは
感謝を伝えるショーと題されたセレモニーが行われた。
 ANのユニホーム姿のシャペコー市長と、シャペコエンセのユニホーム姿のメデリン市長が、感謝の気持ちを共に表した。
 事故から奇跡的に生還した、シャペコエンセの選手たち、フォルマン、ルシェル、ネットと、アナウンサーのラファエル・ヘンゼル氏もフィールド上に登場した。この日のために作られた特別な音楽も演奏され、両チームの旗が、フィールドに広げられた。
 また、コロンビア南西部で1日に発生した水害で290人が死亡、330人以上が負傷、行方不明者も多いることから、「頑張れコロンビア」と書かれたプラカードを掲げるファンもいた。
 試合は前半24分、シャペコエンセのレイナルドがPKで先制すると、後半13分、ANのマクナリー・トーレスが同点ゴールを決め、その15分後には、シャペコエンセのルイス・オターヴィオがコーナーキックのボールをヘディングで決めて勝ち越した。試合はそのまま2対1で終わり、シャペコエンセが勝利した。
 優勝の行方は、2試合の合計得点で争われる。ANのホーム、メデリンでの試合は5月10日に予定されている。(4日UOLサイトより)