連邦警察のカルネ・フラッカ作戦(CF)に揺れる食肉業の世界大手JBS社長が6日、リオ連邦地裁で、リオ州元知事で「カルカッタ作戦」被告のセルジオ・カブラル氏が、リオ州の鶏肉加工会社を売却するために同社幹部を訪ね、仲介しようとしたと明かした。6日付エスタード紙が報じている。
JBSのジウベルト・トマゾーニ社長は、「リカ・フランゴ」のブランド名で知られているリオ州の肉供給会社「リカ・アリメントス」共同経営者のルイス・アレッシャンドレ・イガヤラ被告の弁護人からの質問を受けた際、カブラル氏が2014年にリカ社売却交渉の仲介をしようとしたと発言した。イガヤラ被告は資金洗浄の容疑で起訴されている。
連邦検察庁によると、リカ社はカブラル被告の企業であるSFCコムニカソンエスに240万レアルの賄賂を払っていたという。同社からの賄賂は、カブラル氏の賄賂計画の右腕的存在で、やはり逮捕済みのカルロス・エマヌエル・ミランダ、ルイス・カルロス・ベゼーラの両被告の会社、カブラル氏夫人で現在は自宅軟禁中のアドリアナ・アンセルモ被告の弁護士事務所にも渡っていたとされている。
この裁判の席上、トマゾーニ氏は、カブラル氏は14年、リカ・アリメントスの売却に関して、JBSの経営責任者の一人であるジョエスレイ・バチスタ氏を訪ね、リカ社を買収するよう求めたという。カブラル氏はバチスタ氏に「リオ州には養鶏の活性化が必要だ」「リオ州は雇用創出が必要なんだ」などと語り、交渉を求めたという。
リカ社は同州最大の鶏肉加工会社だが、現在は民事再生法の適用を受けている。
トマゾーニ氏によると、カブラル氏がコンタクトをとってきたのは知事退任後の14年4月のことで、同義的な不適切さはなかったという。
だが、リカ社買収は、カブラル氏が持ち込む前にJBS内部で話し合われ、却下されていた。つまり、カブラル氏の仲介後も交渉は前進しなかった。2015年にはリカ社が直接、交渉しようとしたが、その時も商談は成立しなかった。
JBSはトマゾーニ氏の供述後、「カブラル氏はJBSに自州の企業を買収する気がないかと、機会を提供したのみ」との見解を記した文書を出している。
リカ社のイガヤラ氏は16年10月のカルカッタ作戦で、カブラル氏と関連のある疑惑の人物として、強制連行の上で事情聴取を受けている。